クボタさんの魔物図鑑 その87

No.109 アウドムラ

魔獣類ツノナシウシ科


体長 2.3〜2.5m

体高 2m前後

体重 1400〜1600kg


能力値(野生下での平均値)

『力』500〜650

『魔力』0

『機動力』300〜420


討伐依頼受諾可能最低ランク

F(推定)


・我が国には生息していない。

・本屋の姉ちゃんが薦めてくれた本で存在を知った。ちなみにクレーマーの一件は無事終了した。意識を取り戻した奴に向け、俺が謝ろうとするもう一人の自分を制し、凄んだからだ。そうするとクレーマーはそそくさと店を出て行った。その時の俺は『毒を食らわば皿まで』、つまり〝こうなったらもうどうにでもなれ精神〟だった。


この魔物はアウドムラ。

他国にのみ生息を確認されている大きな牛の魔物だ。


餌となるものは植物、だから草食性だ。

生息しているのは主に温暖な気候の場所が多いが、ある程度の適応力はあるらしくそれ以外の所でも生活している場合がある。


それとこの魔物、我が国にも昔はいたらしいが残念ながら現在では全滅してしまっている。


その原因は勿論、一本角のあの魔物※『ユニタウルス』のせいである。


しかし、コイツはアレとは違い武器となるものを持っていなかったのでそれはまあ当然とも言えるだろう。自然界とは厳しいものなのだ。


そう、アウドムラは角……牛型の魔物が唯一武器に出来るような部位を有していない魔物だ。


とはいえ、この魔物は穏やかな性格で平和を好むため、あってもどの道それを使おうとはしなかっただろう。


……とまあこのように、アウドムラとは争い、生存競争等に全然向いていない魔物なのである。


ちなみにアウドムラは俺の元いた世界ではアウズンブラとも呼ばれ、世界で最初に生まれた大きな牛として神話に登場しているのだが、何故かこの世界にいる奴もそれとの共通点がある。


どうやらコイツにも最初に生まれた牛型の魔物だと言う説があるらしいのだ。


というか、それは事実のようだ。

コイツはユニタウルスが現れるその日まで、武器も警戒心すらも持たずにのほほんと過ごしていたのだから……


あと、『大きな牛の魔物』というのもアウズンブラと共通しているな。


ん?ユニタウルスとそんなに変わらないサイズだって?


違う。アイツがデカ過ぎるんだ。そもそもユニタウルスはアウドムラよりも後に発見された魔物なんだから、そんな事言ったってもうどうしようもないだろう?


それに、コイツだって充分デカいじゃないか。






注釈


※ ユニタウルス 『第一章十五話 無用の〝長物〟』にて紹介

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る