忘年会開始
「……え〜会社を設立してから早くも2年がたちました。この2年はとても忙しかったですが、みなさんが一丸となって―
『社長長いです!』
『お世辞はいいから飯を食わせろ!』
『待ちきれないから早く食わせろ!』
―お前ら覚えとけよ……それでは今年もお疲れさまでした!乾杯!」
午後6時、忘年会が始まった。
円型のテーブルの上には沢山の料理が心狭しに並んでいる。社員達が美味しそうに食べ始めたのを見た弥登は壁に持たれ一息ついた。
弥登が疲れている理由は沢山の料理を作ったからではなく、手伝いに来たはずの七海に料理のつまみ食いを防ぐ方が大変だったからである。
「お疲れだねぇ、お兄ちゃん?」
そんなことを考えて休憩してると、疲れた原因の元凶である七海が手に沢山の料理を携えてやって来た。
「その原因の1つとして関わってるのはお前だけどな?」
「あはは……ごめんね?だけどさ、あれを目にしたら誰だってつまみ食いしたくなると思うんだけど。」
そういった七海が指指す方向を見るとテーブルの上にある料理を取り合う社員達の姿。その光景はさながら餌に集まるピラニアのよう。絶対にアリではない、そう言える程にそこは戦争地帯になっていた。
その光景を見て苦笑いしてると、七海が話す。
「皆料理を絶賛してたよ。お兄ちゃんも鼻が高いんじゃない?」
「そんなんじゃねえよ。毎日やってることだし。」
弥登としては何時もやっていることである。いつもよりも作る量が増えて、沢山の種類を作っただけである。と、弥登は考えている。
「ほ〜んと、お兄ちゃんって自覚無いよね……」
七海が何か言っていたが聞こえなかったが、視線が痛いので誤魔化すように別の話題を切り出す事にした。
ちなみに、南先生は忘年会開始早々、お酒コーナーに行ったので、挨拶するのは辞めた。
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