忘年会 料理 一覧 検索
「えーーというわけでですね冬休みの間でもきちんとした生活を………」
26日、金曜日。
校長先生のありがたーい挨拶を聞いている僕は、明日の忘年会について考えていた。食事の件である。
「作るっても何を作ればいいんだ?」
生まれてこの人生の中で社会人になった事にすらない(社長?何だそれ。)弥登にとっては難解なお題であり、難しい料理内容った。
たくさん人がいる状態ではとてもじゃない量の食材が必要であり、それに比例するように作る時間もが増えていく。いつもは妹と合わせて2人前しか作らなくて良かったのを明日は何十人前のを作らないといけない。
嫌だ。
やりたくない。
とにかく面倒くさい。
しかしルールによって戦った、Wスピードにより負けてしまった以上、作るしかないのだ。
そんな事を悶々と考えていた訳だから、残り一日までしか期限が無いのだが。
「これにて終業式を終わります。」
「…あ。」
そして、今回も貴重な時間を無駄にしたのだった。
「……なあ、達也。相談があるんだが……なんだその顔は。」
「いやいや、お前が俺に相談とかなかなか無いからな?」
教室のホームルームが終わり、皆が家に帰るときに達也に質問するが、いつもは質問しないと驚かれてしまった。解せぬ。
「それで、相談って何だよ。」
「その、今度親に連れられてパーティに出るんだけど、食事ってどんなのが出るんだと思って。」
流石に会社の事を疑われちゃいけないためごまかさないといけないため、別の理由にしたが……嘘はついてない。
「…………………」
「どうした?」
「いや、なんでも。………基本的には皆に配れるような物じゃないか?例えるなら、本数じゃないか?例えで言うならギョーザとかがいい例だよ」
「ふむふむ……」
「後はやっぱり、沢山の量だよな。あの料理の量でどれだけ会場がデカいかわかるよな。失礼な事言ってるけど。」
「まぁ、そうだな。ありがとう、助かったよ。」
達也のお陰で明確なビジョンは浮かんだので早速材料を買うことにしよう。
「ちなみにだが、クラスでカラオケしよ〜って言ってるが弥登は?」
「さっき話したパーティが明日でな、パス。どうせお前もだろ?」
「俺も彼女と過ごすからな!………お前も彼女作ったら?彼女はいいぞー」
「余計なお世話、彼女に気後れするわ。じゃあな」
今の環境で彼女を作る予定は無いし、仮に好きな人が出来たとして、大抵が社長だと気づけば金目当てで困る。
そんな事よりも今は材料の方が大事だと考え、先を急ぐのだった。
―――――――――――――――――――――――
「………前に話してたのに嘘をつくまでの用事、か。話してはくれないのかねぇ。」
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