逆転に笑う死神(人生逆転ゲーム)
人生逆転ゲーム
1から10まであるルーレットを回してマスを進み、ゴールする途中で仕事をし見つけ、結婚したり、お金持ちを目指すボードゲームだ。何より面白いのはラスト直前で最下位から一位まで躍り出ることができることだ。ただし、時間がかかる。これ大事。
社長室で突如始まった人生逆転ゲーム。自分と妹の七海、ドアに隠れていた南先生。そして、参加することになってしまった春川さんにより、切って落とされた。
「そうだお兄ちゃん。」
「何だよ。」
「ルールで一位が最下位の人に、罰ゲームも追加しよう。」
「なんで大事な事を先に言わないの?」
戦いは中盤に差し掛かる頃、いきなり七海が罰ゲームの提案をしてきた。若干いい場所に居るところから考えていたのだろう。
「先生も賛成!」
「聞いてませんよ?却下。」
南先生もグルだったのだろう。二人が何か考えているのかわからない分、考えている案を通したくない。だが、こちらには春川さんがいる。彼女が嫌だと言えば七海達も諦めるだろうって何春川さんに吹き込んでるんだ南先生!
「わ、私も、やりたいです。」
「…………………まじかよ。」
まじで何吹き込んだの?春川さん目がさっきよりもキラキラしてるのだけど。一周回って気になるわ。
「春川さんもこう言ってるしね〜。いいよね!お兄ちゃん。」
「……はぁ、分かった分かった。勝てばいい話出しな、好きにしろ。自分が最下位になっても知らんからな。」
「……?何言ってるってアアアアアア!?私のお金が!酷いよお兄ちゃん!シールドカードも持っていないのに!」
言いながらアタックカードを七海の前に投げる。カードの効果で七海の所持金は1億から1000万へ、嘆く七海を無視。構えばうるさいから。話を変える。
「そういえば、春川さんは引っ越しの方は大丈夫でした?いきなり決まったような事ですし。」
「ええ、元の住んでした部屋には思い入れもありませんでしたし、運ぶほど荷物もありませんでしたので。」
「………そうですか。明日からの仕事はサポートしますので。それはそれとして、僕にアタックカード使うのはやめません?春川さん。」
しれっと出されたアタックカードをシールドカードで防ぐ。若干焦った。
「………弥登君。貴方を倒させて貰います!」
「キャラ変わっていません?目が据わってるのですが?」
「私からも喰らえ!愛の籠もった借金カード!」
「バリア、逆に自分で喰らえ。」
「ナ・ン・デ・モ・ッ・テ・ル・ン・ダ・ヨー!」
取り敢えず防ぎきったかな…保険として用意しておいて良かった……南先生?嘘でしょ?
「喰らえ!借金カード!」
「何でだよ!」
防ぎきれず、借金カードを食らう。全財産が水に溶けた瞬間だった。
何故か、カードに描かれている死神がニタニタ笑っているように見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます