罰ゲームは何時だって恥ずかしいもの?
突如始まった人生逆転ゲーム。最終結果は七海が1位、春川さんが2位、南先生が3位、そして最下位は自分だった。あれからさらに七海と南先生にでアタックカードをぶつけられ、見事、借金人生のまま終わった。
「いちばーん!」
「……………図ったな?」
「図ってないよ!ねぇ南先生。」
「えぇ、そんなことしないわ!」
「「ねー」」
「怪しすぎだぞ。」
「ま、まぁまぁ。私もしてないと思いますよ。」
「…………まぁいいか、負けは負けだし。ほら内容をいえ。」
「待ってました!それでは〜南先生!」
「はいは〜い!弥登君、これをどうぞ」
南先生からそれを受け取る。
これは……女性用カツラ?
「………なんで?」
「発表します!お兄ちゃんへ罰ゲームは…………
女装!女性になってもらいます!もちろん、声も女性に近づけて貰うよ〜!」
「いよっ、待ってましたー!」
「……………………えぇ?」
音野 弥登、罰ゲームにより、女装確定。
会社、カルミナ。
僕は今、女装しています。
何言ってるんだと言われてしまうと思いますが言葉通りと報告します。あと一つ
「あ〜も〜お兄ちゃんかわいいー!お持ち帰りしていい!?って、帰る場所一緒にだったわ〜とりあえずお兄ちゃん!ニッコリ笑って笑ってー!」
「………(ニコッ)」
「キャー!カワイイー!(パシャパシャパシャ)」
「…………………」
我が妹がうざいです。
これは自分が負けた事だとわかっているし仕方のないことだとしても恥ずかしい…………
罰ゲームは次から絶対しない。
春川さんなんか顔が少し赤いし、恥ずかしい……
尚、南先生はお仕事の為この場に居ない。仕事で呼ばれて、連行。南先生が部屋を去る際とても名残惜しそうにしていた。
しかし涙を流す南先生は少し怖かったと言っておく。
「なぁ七海」
「…………」
「……………七海ちゃん」
「キャーー!めちゃくちゃカワイイー!で・も…今の私は………?はい!弥登ちゃん」
「………お、おねぇ、ちゃん。」
くっそ恥ずかしい。なにこれ、公開処刑?お姉ちゃんと呼ぶのが恥ずかしくて顔が赤くなるせいで七海のテンションがおかしくなってる。いつもなら罰ゲームを拒否れるけど春川さんがいる手前それもできない。七海め…………
「もぉ、怒らないで?弥登ちゃん。春川さんにも言ってあげないと。」
「………………え?」
「……………………」
え?言わないと駄目なの?流石に恥ずかしすぎるのだけど、妹だったらまだしも、春川さんはちょっと……
「………み、弥登ちゃん」
やめて。お願いだからその期待のこもった目でこっちを見ないで!?言って後悔するだけだから!春川さんの顔も赤くなってるし!
「ほら、弥登ちゃん。言ってあげて?」
…………もう知らん。
「……は、春川ちゃん。」
「…………………………し、下の名前で……」
「……………ふぇ?」
ナニイッテルノデショウカコノヒトハ?
………無になれ、無になるんだ音野弥登!これ以上の恥ずかしい思いはしてきただろう?今回も行けるさ!限界を超えろ!
「み…………詩音お姉ちゃん。」
「………………っっっっ!」
は、はっは。言ってやったぞ。お願いの上を言ってやったぞ!取り敢えず。
「七海姉ちゃん?服着替えてもいいかな?」
「だめよ!弥登ちゃん!貴方はこのままで…」
七海の手を掴み、視線を下から上へ、少し顔を赤くして………
「…………お願い?」
「………………ごは!?」
よし、敵はもういない。
そのまま、部屋を出て、顔から熱さを抜きながら着替えるのだった。
社長室
「可愛かったな〜」
今回もお兄ちゃんにやられたけど、いい写真が撮れて良かった。そ・れ・に………
「………………………はぅ。」
(こっちも、やられちゃってるしね。)
七海が向ける視線のその先には、顔を真っ赤にしている春川がいた。
(私が毎回お兄ちゃんの近くにいられないし、春川さんへの反応が優しかった。)
「ねぇ、春川さん。」
「は、はぃ!?」
(お兄ちゃんをお願いね。春川さん。)
頭の中で浮かべながら、弥登が戻ってくるまでの間、七海は、春川と話をするのだった。
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