初めての出会い 詩音視点
ある日の放課後
私、春川 水月はあの契約があったあの日以来、一度も行かなかった会社、カルミナに来ています。
本当だったら仕事の内容を受けて手伝いをしていたはずでしたが、あの事件が起き、弥登君が様子見と言う気遣いでまだ伝えられていませんでした。それが今日、急に呼び出されたのです。学校で見る弥登君にしては、内容を急には決めず先に話している弥登君なので、何かあったのかと少し不安でした。
「お帰りなさい、春川さん。」
「南先生」
そう思いながら放課後、会社の入口ゲートを潜ると先生――南先生が出迎えてくれた。先生も学校終わりなのに、疲れた様子が無い事に少し、尊敬してしまいます。それでも、お帰りなさいは少しこそばゆいのですが……先生の隣を歩き、社長室……弥登君の仕事部屋へ。
「社長、お連れしました。」
「どうぞ〜。中に入って〜」
「分かりました……それでは春川さん。」
「はい、ありがとう御座いました。」
間の抜けた声に、若干呆れながらもドアを開けてくれた先生に軽く礼をいい、中に入る。この時、先生は部屋に入らなかった。この事に軽い違和感を覚えたが、勘違いで通した。
「こんにちは、弥登君。」
「こんにちは、春川さん。早速で悪いけど、色々と話たい事があるから、奥の椅子に座ってもらえるかな?」
弥登君に挨拶をしながら、奥の席へ。テーブルの向かいに弥登君が座ります。
「いきなりでゴメンね。本当は、もう少し後から説明しようと思ってたんだけど……」
「それは大丈夫なのですが、何かありましたか?」
「まぁ………ね。(妹に邪魔されたくないしなぁ)それじゃあ、仕事の内容について話すね。」
……
……………
……………………
―――――――――――――――――――――――
「という感じだけど、わかったかな」
「はい。大丈夫だと思います。」
話した内容は、仕事している人に飲み物の差し入れや裏方仕事といった簡単な事だったので覚えれると思う。時間も放課後なので基本的に遅刻なども無さそう。
「今日はこれでおしまい。仕事は明日からでお願いするよ。」
今回はコレで終わりらしい。
「それじゃぁ」
『お・に・い〜ちゃーーーーーん!』
「!?……はぁ。」
その時の弥登君は
お、で反応して。
に、で誰か分かったのか、溜息を吐いて。
い、で諦めたのか、席を立ちドアへ歩いて。
ちゃーん(?)で、ドアから飛び出して来た子に押し倒されていました。
これが私、春川 詩音が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます