あれから そして連絡メール
あれから
ストーカー男の裁判が始まり、特にこれといったこともなく進んだ。最近になって出来たストーカー規制法による罰、脅迫罪、暴行罪が入り、懲役20年になった。
本当はここまでじゃなく、懲役10年ぐらいだったが、暴力を振るった相手が悪かった。何せ一部では有名なアニメ会社の社長に暴力を振るったのだから。春川さんの証言のあるし、防犯カメラからの記録、トドメに現行犯逮捕。正規社員じゃなくても彼女は会社の従業員、懲役10年で許す気は無い。
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学校では、いつものように振る舞っている春川さんも元気なのが目に見えてわかる。あの時のように心の奥に隠れていた不安が無くなった彼女はとても楽しそうだった。逆に言うと、それ程に苦しんでいたというわけなのだか………それでも隠し通せたのだからこそ、完璧少女と呼ばれるのだろう。
「おはようございます。弥登君」
「……………おはよう、春川さん。」
こうして挨拶をしてくれるようになったが、恩返しをしようとしなければ助ける気も無かったのでなんとも言えない気持ちになる。
誰でも助ける程、自分はお人好しではない。
「明るくなったな………そう思うだろ?弥登。」
「話がいきなりすぎるし、何を言いたいのか分からん。」
「春川さんが前とは比べて楽しそうだなと。」
「朝比奈さんコイツです。コイツ浮気してます。」
「彼女呼ぶのは辞めろよ!」
「たーつーやー?ちょっとこっちに来ようか……」
「ヒッ!?」
春川さんの様子に気づいた親友である達也を彼女である朝比奈に売り、その場を切り上げるのだった。
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それから5日後
「そろそろ春川さんに仕事内容伝えないとな〜……ん?」
1人社長室のイスに座りながら、メールを送ろうとスマホを開くと一件の未読メールがあり、確認すると同時に頭を悩ませるのだった。
『お兄ちゃんへ
あっちでの仕事が終わったので直ぐに帰ります!
私が帰ってきた時の為に、時間を作っておく事!
約束だよ!
妹より』
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