抱きつかれる=頭を撫でる(?)=強く抱きつかれる(?)
簡単に、今の状況を説明しよう。
・春川さんに抱きつかれています
…………なんで?
「え、えっと…そのあの……は、春川さん?」
「……………」
「あの………」
「……………」
「……………」
「……………」
き、気まずい……え?どうすればいいの?僕はどうすればいいの?誰か答えを!?僕に答えをー!?
「よかった……」
「…………え?」
「私のせいで……私のせいだと思うと……怖くて」
「……………」
春川さんはストーカーに悩まされていた。最近の話だったとはいえ、彼女の明確な悩みの種である事には変わらず、誰かに打ち明ける事ができなかった。
そこまで悩んでいた事を話すのは勇気が必要なのは分かる。実際はこっちが勝手に関与してるだけ何だけど………
だからこそ、彼女は今回の事は全て自分のせいだと思っているのだろう。いつもの彼女からの姿は想像できないぐらいには憔悴してる。
「………、?」
「あっ、………その……ごめん。でも……大丈夫」
いつの間にかというか、無意識に春川さんの頭を撫でていた。抱きつく手の力が強くなった。撫でながら話す。
「大丈夫、大丈夫だよ。心配しないで、春川さん。
僕は少し怪我しただけだし、ストーカーである犯人も捕まった。春川さんが気に病む事は1つもないんだよ。」
「…………はい。」
「……心配かけて、ゴメンね。」
そのあとも大丈夫だと何回も言いながら、春川さんが落ち着くまでまで続けたのだった。
尚、その様子をみられていることをあとから思い出して、そのことに気づいた春川さんと揃って顔を真っ赤に染めるのだった―――
「わしの子かっこよすぎじゃね!?」
警察庁長官である智成が静かに騒ぐ後ろでストーカー犯人をパトカーに入れた警察官の2人が騒ぐ長官を見て呆れた眼差しをおくっていた。
「始まったよ。長官の悪い癖。」
「いつもの事じゃん、気にするなよ。」
この、警察官のお偉いさんでもある警察庁長官の智成は普段はとても風格があるのだが………弥登の事になると180度変わり……その姿は、孫を溺愛するお爺さんに変わってしまうのは警察署内でも有名な話だった。警察署七不思議の1番『180度変わる警察長官』として。
「しかしさぁ………あれをみてるとさぁ……」
「……………うん」
「「あんな恋がしたかったなぁ………」」
「うるさいぞ、お前ら、孫の邪魔をするなよ?」
「「は、ハイっ! すいませんでした!」」
………1番うるさいのは貴方だと思わずには居られない2人であった。
春川と弥登が見られていることに気づき、顔を真っ赤に染めるまで残り、30秒――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます