ストーカー(詩音視点)

 ―弥登が走り出す5分前―




「…………えへへ。」


 夜の住宅街を歩く私の顔その表情は笑顔だったと思います。


 今まで悩み苦しませた問題であるストーカー事件は弥登君が対処してくれて、条件が良い仕事を貰い、挙句の果てには生活する場所も提供してくれるなんて仕事をしていなくても分かる。何よりも


「……弥登君……」


 最初は何回も疑った。脅されてむりやりされるかと思って警戒したが、弥登君の覚悟や気持ちが伝わってきて……本当に助けようとしてくれてて嬉しかった。私の頬はずっと緩んでる。


「見つけた…!」

「えっ?……………!」


 だからこそ、気づかなかったんだと思います。


「見つけたよ、詩音ちゃん!」


 今まで悩ませていた存在が、近くにいた事に。


「い、いやっ、こ、来ないで!!」


 とっさに叫んだけど身体が動かない。手を掴んでくる。


「僕のほうがいいよね詩音ちゃん!こんなに変な臭いがついて……、あんな冴えない男よりも僕のほうがこんなに大好きなのに、どうして?どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」


「は、離して!…っ!」


「詩音ちゃん!?待ってよ詩音ちゃん!!」


 手を振り払い私はきた道を逆走した。誰かいないから見渡すけど夜の住宅街が11時を過ぎていて助けを求めようとしても誰もいない。


「捕まえた、詩音ちゃん……」


「んーーー!んーー!」


 男子と女子では身体のつくりが違い、すぐに捕まってしまいます。抱きしめられて、口を塞がれて助けを呼ぶことも出来ない。壁に押さえつけられて動けない。

 彼はナイフを取り出して、首に当ててきます。


「本当はこんなことしたくないんだけどね……詩音ちゃんが悪いんだよ?ちゃんと僕のことを理解してくれないから!だからちゃんとつけないと……僕の証を。誰にも取られないように。」


そして、その手が……、







―――――――――――――――――――――――


更新遅すぎですね。ここの場面とても難しかったです。次からも頑張っていくので温かく見てくれるとありがたいです。

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