第三章 学校を寝取りました
第19話 学校を寝取ろう!
早朝の眠い朝を抜けるとおっぱいだった。
じゃなかった。
毎朝同じベッドで添い寝しているミラであった。
むっちりとした両脚を俺の体に絡ませ、寝巻きからちら見せしてる両胸を顔に押し付けてくる。
女の子のふとももって、こんなに柔らかいんだなぁ。
──レゼンさん!今日から同じベッドで寝てもいいですか?
──え?あ、ああ。構わないが。
──ふふふ。クラスのみんなには秘密にしてくださいね。
この後に『ちょっと寝相が悪いかもしれませんが……』と断りを入れていたが、ちょっとどころではないなこれ。
おっぱいと太ももの海で溺死しそうだ。
色々とまずい。
「あのう、ミラさん。少しだけ離れて……」
「もう、一生はなれません……」
むぎゅっ。
「寝ぼけながら『大狼の加護』を発動し身体能力を強化するだと!?う、動けん……!」
「生きる時も死ぬ時も、一緒です……すぴー……」
「あ、愛が重いっ……!これが俗に言う、送り狼……!?」
しょうがないので、ミラの柔らかさを堪能しながら今後どうすべきか考えてみる。
この前の晩一瞬妄想したような『この世界が鬱展開無しのおまけファンディスクと信じてヒロインといちゃいちゃする』は得策とは言えない。
ゲームで第二次ヴラス帝国との戦争を徹底的に回避した場合、バッドエンドルート36『兄弟は1つになった』に突入するからだ。
──ゲーム開始から12年後。第二次ヴラス帝国の裏工作により、スラヴァ王国は併合される。
──第二次ヴラス帝国は「兄に優る弟はいない」と叫び、富の収奪と反対者の弾圧を開始。王国は再び暗黒に閉ざされるのであった……
「もしかして戦争を回避したらハッピーエンド」?と思って1000時間売国奴プレイにいそしんだ結果がこれだよ!
未来が不明瞭な以上、今から最悪を想定して動いておくしかない。
俺がどこかの誰かさんに代わりゲームを動かすのだ。
というわけで──、
まずは主人公ペトロ・オレクシーから学校を寝取ろう!
『メリホスト騎士団訓練校』に入学した数百名は、最良の展開であれば国を守護する精鋭部隊『スラヴァ騎士団』となる。
人間と獣人を垣根を乗り越えて団結し、『キーウィ防衛戦』でも大活躍するまさに英雄的存在だ。
むろん今の闇堕ちしたペトロ・オレクシーに委ねるわけにはいかない。
あいつが病院で入院している間に、この学校の全てを乗っ取ってしまおう。
もちろん、可愛いヒロインは全て俺のものだ。
メインヒロインはミラ1人だがサブヒロインはたくさんいるし。
ペトロめ、学校から帰ってきたときにほえ面かくなよグフフフフ。
エッチな寝取られASMRが大好物な俺の実力を見せてやる。
「んん……」
まだ寝ぼけているミラが寝返りを打ち、拘束が緩んでいく。
もう少しで抜けられそうだ。
ふっ……
『あえて真面目なことを考えて
ミラの頭を撫でて、ゆっくりと半身を起こす。
今日は4月13日。
『腐染獣』の騒ぎで数日休校となっており、今日からようやく授業が再開される。
ペトロの謹慎が解けるのは5月初旬だから、それまでに乗っ取りを完了させよう。
毎日が月曜日だと思ってめまぐるしく動けばなんとかなる。
「クククク……10000時間このゲームをプレイした俺に不可能はない」
早朝だが早速いくつかのアクションを起こすことにする。
まずは教室に行って──、
コンコン。
不意に扉がノックされた。
「レゼン・ヴォロディ候補生、ならびにミラ・クリス候補生。私だ。失礼するぞ」
ガチャリ。
リアクションを取る暇もなく扉が開かれる。
スラリとしたスレンダー体型。
黒のスーツ。
黄褐色の髪。
やや丸みを帯びたキツネ耳。
右目につけられた黒の眼帯。
俺やミラが所属する第8クラスの副担任、マリア・シェレスト先生だ。
「鍵もかけずに不用心だぞ。授業前に話したいことがあるのだが……」
クールなボイスで俺たちを起こそうとしたが、途中で声が止まる。
視線の先には、1人用のベッドで寝巻き姿のまま絡み合う悪役顔の男とケモ耳美少女。
「ほう。不純異性交遊か……大したものだな」
オイオイオイ。
死んだわ俺。
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