第7話 和也と平京田

 無音和也(よばらずかずや)は出羽町に来ていた。

 出羽町の高台で連絡を待っている。

『無音聞こえるか』

「あぁ聞こえる」

 和也は遠くにいる平京田という男と通話していた。

 和也の左胸には槐(えんじゅ)の花の刺青が施されている。

 その刺青はとある人物の霊能力で、刺青に霊力を込めるとそれを相手の刺青に伝わり霊力を音に変換させ通信している。

 便利ではあるのだが、霊力の消費量がかなり多くそこが短所だ。

『出羽組はどんな様子だ』

「屋敷には二人。ここ数日で最少人数だ」

『行けそうか』

 ああ、と和也は応える。

「次の新月の日に決行する」

『わかった。成果を期待している』

 通話が切れる。

 和也は高台を降り、出羽町の宿に向かう。

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あまのじゃくの祓い屋 多々良礼次郎 @TataraRyota

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