4.ショタコンではない女、ショタコンになる

友人の結婚式を終え、

今度こそもう彼とは二度と会う事はないだろう…と思ってから約一ヵ月後。

友人から一本の電話が掛かってきて、私はまた大きな衝撃を受けることになった。


『結婚式に来てたひなたくんって男の子覚えてる?』

「…え」

すぐさま覚えてると反応するのもまずい気がして、私は少し言い淀んだ。

しかし友人はそんな私のことを気にする様子もなく言葉を続ける。


『ひなたくんがね、亜衣とまた一緒に遊びたいって話をしてて。

 さすがに距離が遠過ぎるからって宥めたら、じゃあ手紙を書いて良いか確認して欲しいって』

『だから住所教えても良いかな?

 良い子だし、親御さんもしっかりしてるから悪いことには使わないだろうけど』


私の頭の中で、その瞬間、ぽーんと一瞬にして大きな花が咲いてしまった。

私はもう完全に冷静ではなくなってしまい、妙なテンションで返してしまう。


「も、勿論良いよ~!ちょっとお話しただけなのに、律儀な子だね~~~~」

『アハハ。それじゃ、伝えておくね』

「う、うん。」

『亜衣、昔から年上好みだし、子供に好かれるタイプだったなんて知らなかったな。意外だった~』

「あ、ははは。私も意外だった~~~~」


ダメだダメだ。顔が緩む。

電話を切った後、私は完全にゆるゆるに緩みきった口元を自覚した。

私からしたらひなた君は性癖をこじ開けてきた天使のような悪魔のような子だけど、ひなた君からしたら私なんてすぐに忘れてしまうくらいの存在だと思っていたのに…。ひなた君もまた私に会いたいと思ってくれていて…、しかも手紙まで書いてくれるなんて…!!!!

えーえーえー…やっぱり天使なの?????


そんな風に取りとめもなくあの子のことを考えてしまう自分を自覚する。

こんなの、もうすっかり恋する乙女じゃないか!!!!!

いやいや、いくつ歳が離れてると思ってるの!?

私は枯れ専じゃなかったの!?

そもそも犯罪になっちゃうじゃん!!


『でも人を好きになるのは悪いことじゃないよ!

 それにお膝が可愛い男の子最高って気持ちを受け入れなよ!』

『バカ!人生経験を顔のしわに刻んだ渋いおじ様が、

 たまに悪戯っぽく笑う微笑みに勝るものなんてないはずでしょ?!』


あーあーあー!!!!!!

天使?と悪魔?が脳内でポカスカと叩き合うけれど、

どっちが天使で悪魔なのかももう私にはわからない。



その後、私の元に届いた水色の封筒の中には、

結婚式で誰かが撮ってくれた私とひなた君のツーショット写真と

また会いたいです。一緒に遊びに行こうってラブレターが入っていて

私は無事にショタコンになりました。



ああああああ

私、これからどうなっちゃうんですか!?



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これは母性本能の誤作動です!!!! 夜摘 @kokiti-desuyo

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