第6話 芸とは
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
パパさんがカメラを構えながら、オレに向かって指鉄砲のポーズをしている。
バキューン。
え? 声に合わせて転がれ?
ヤダよ、そんなの。
絶対にやるもんか。
オレはパパさんに尻を向けて寝そべった。
バキューン。
しつこい。
やらないったら。
だいたい、何が面白いんだよ。
そんなんじゃ、再生回数とやらが稼げないぞ?
お? カメラを外したぞ。
よし。
コテン。
パパさんが慌ててカメラを構える。
オレはすかさず、おすわりをする。
ふっ。
オレを自分の思い通りにできると思ったら大間違いだ!
……くっちゃ、くっちゃ。
あー、ササミうまいなー。
ん? あぁ、コテンしたさ。
さしものオレも、ササミには勝てないからな。
とりあえず、一時間かかって、ようやく撮影できたようだ。
でも、この撮影で疲れたらしく、パパさんがグッタリしている。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます