第7話 お家騒動の王家とレベル上げ

ーー  人族にも慈悲を


ゼンブラ王国の王家は、

・国王〜ダッシュ=M=ゼンブラ


・王妃〜第一王妃 クリーム

・第一王子〜ドリーム 20歳

・第四王子〜スカイ 16歳

・第五王女〜シュガー 15歳

・第六王女〜メロン 13歳


・第二王妃〜サザリン

・第二王子〜スター 20歳

・第三王子〜グリーン 18歳

・第七王女〜ベルメ 13歳


病床の国王の跡目争いに、第入り王妃の子4人と第二王妃の子3人合わせて7人がそれぞれの後ろ盾を得て参戦している。


ゼンブラ国王は、以前ドーソン王国のカイマン辺境伯領に侵攻した際に、大敗を喫した。その後も亜人を扱う商人や貴族らが次々に不審死を遂げることに精神がまいり。


程なく病床についたが、この世界では不治の病と言われる癌に犯されていた。



             ◇



ゼンブラ王国内を移動中の僕らは、ある街の宿に泊まっていた。


街の名は「リンカーン」。

人口2万ほどの中規模の街で、冒険者の街のようだ。


ここから2日の距離に深淵の森があり、そこで魔物や素材を取って栄えているようだ。


当然、亜人の奴隷も見かける為お供の5人は、心穏やかではないようだ。


僕もその奴隷達が、攫われたりしたものであれば助け出すことは厭わないが、その点は調べなければわからない上、解放を望まない者もいる。


ギルドにおいて5人を登録し、暫くレベル上げとギルドのランク上げに集中する事にした。






ーー  リンカーンの街の冒険者ギルド



この街のギルドは、街の中心にある。かなり大きな建物でこの街のギルドの影響力がわかるようだ。


受付で5人の登録を頼むと、若い女性ばかりのせいか、むさい冒険者が絡んでくる。


「お嬢ちゃん達、初めて登録するならオレ達が指導してやるぜ。」

「そんな小僧より、俺らの方が上手いぜ。」

などとうざい。


「リンカーンの冒険者と言うのは実力が無い上品も無いのか?」

と。僕が呟くとそれを耳にした男が。


「小僧!Cランクの俺たちに口答えとはいい度胸だ。みっちり教えてやるから裏に来い。」

と僕を引きずろうとして僕の腕を持ったまま、動かなくなった。


「僕は、むさい男に腕を掴まれて喜ぶ趣味はないんだよ。離してくれないか。」

と言うと男は。

顔を真っ赤にしながら引っ張るも動かない僕に、次第に冷や汗をかき始めた。


「おい。グスタン何してるんだ。早き連れてこいや。」

他の仲間が呼びかける。

「待ってくれ。コイツびくともしやがらねんだ。」

となきが入り始める。


2・3人が戻って僕の腕や肩を掴んで引っ張ろいとするが全く引きともしない僕。

そして僕は言う

「本当に裏で指導してくれるんだろうね。Aランクの僕に。」

と言うと。

「ええ!Aランク!・・・ちょっと待て、待ってください。」


と言い出したところに、違う冒険者が近づき。


「なら俺が相手してもらおうかAランクの小僧。」

と3人が前に立った。


ステータスを見ると


ケン 25歳 男 人族 レベル60

HP 4500 MP 300 力 2500 速さ 1200 賢さ 30



ダンク 22歳 男 人族 レベル66

HP 4800 MP 700 力 3300 速さ 600 賢さ 80


スリム 22歳 男 人族 レベル58

HP 4000 MP 2000 力 1000 速さ 400 賢さ 120


で、このギルドでAランクのパーティーのようだ。

今の僕のレベルは、


カムイ 15歳 男 人族(猫・白狼族) レベル120(88・50)

HP 22000 MP 73000 力 6700 速さ 8000 賢さ 3000


なので、ちょっと確かめることのした。

「良いですが、3人同時でお願いしますよ。力不足のようなので。」

と挑発して見せた。



             ◇



ギルドの裏のは広い訓練場があった。

周囲を興味津々の冒険者が囲み、その中で僕は怒り心頭の3人を前に中央に立っていた。


「何時でも良いですよ。当然何を使っても構いません。」

と僕が言うと、さらに怒ったケンという男から殴りかかってきた。



速さでは1番自信があったのだろうが、僕と比べると。桁が違う。


いくら攻めてもかすりもすない僕に、次第に残りの2人の表情も焦りが見えてきた。

「当てることすらできないのなら、話になりませんね。あなた達はみてるだけですか?」


と声をかけると、ダンクというのが大楯を持って僕を抑えようと動く。

スリムと言う男は、魔法を準備しているようだ。


僕は、ダンクの盾をダンクとも10mほど吹き飛ばすと、ケンの後ろに回り込み結を蹴り飛ばす。


そして魔法を放とうとしていたスリムの目の前に移動すると。

「エアー・ハンマー」と一言言うと後方に吹き飛んだ。


3人とも地面に転がった状態を見て、周りの冒険者が。

「どうしたんだ?Aランクのパーティーがあんな子供に叩きの伸ばされるて。」


と誰かが言ったきり、誰も言葉を発しなかった。

僕は、3人に


「何時まで転がっているんですか?魔物は待ってくれませんよ。」


と言うと、ケンが飛び起きて件を抜いて切り掛かった。続いてダンクも起き上がってその後ろから向かってきた。


剣の振り下ろした剣を指先で止めると、腹を蹴り飛ばして後ろのダンクにぶつけると。2人とも転がり戦意を折られていた。


スリムは倒れたまま意識を失っていた。



すると、そこにギルマスが現れた。


「お前らさっさと依頼に向かえ!そしてお前、部屋に来い。」


と僕を部屋に呼びつけた。




            ◇


ギルマスの部屋。


「お前、ランクは何だ」

と聞くので、Aランクの冒険者証を見せると

「お前がAだ。お前S並の実力だろう。」

と聞くので。


「AとかSとか誰が決めるんですか?」

ととぼけると

「まあ良い。お前が今日登録した5人の保護者で良いんだよな?」

と確認するので

「そうです。僕らは同じパーティーなので。」

と答えておいたら

「お前は・・人か?」

と聞くので、

「どこを見ても人でしょ」

と答えておいた。


あの子らが亜人だと言うことに気付いたか疑っている感じがする。

しかしあまり悪意は感じなかったので、気にしない事にした。



その後僕は5人とパーティーを組み、依頼を受け始めた。



冒険者としての活動の合間に僕は、王家やこの国の情報を集め始めた。


どうやら、国王の命はそう長くないようで、さらに次の国王争いが盛り上がっている様子だ。


お陰で王国民のことはなおざりにされていて、金で物事がいくらでも捻じ曲がり始めた。



リンカーンの街を治めている領主は、クルド=リンカーン伯爵である。

彼は、第四王子のスカイ王子に付いているようだ。


この街はゼンブラ王国でも5本の指に入る規模、ここを後ろ盾に持つスカイ王子は意外と見込みがあるかもしれない。


それ以外の話では、第一王子が王都の半分を、残りは第二王子が。

残り3つの大きな街の有力者は、様子見を決め込んでいるようだ。

そのために賄賂が横行しているようだ。



            ◇


今日も5人を連れて森に来ている。

ここまでは転移魔法を使っている為、移動時間はないのと同じだ。


「今日はワイバーンを狩ってもらう。準備はいいか。」

と声をかければ

「「「「「「準備良いです。」」」」」

と声が返ってくる。


ワイバーンの巣がある山の麓に転移し、それぞれの変化を解除する。


「やっと耳が動かせる」

「身体が思い通りに動くわ」

と各々つぶやきながら準備をする5人。


ワイバーンは、亜竜と呼ばれる魔物で魔物ランクはA、群れの場合はSに該当する高位の魔物だ。


巣にはおよそ5頭のワイバーンが休んでいた。


「それぞれの獲物を決めろ。先ずはフユーリーが魔法で攻撃。アリエルとアイが上からドンガとギンジーが横から攻撃。フユーリーは飛び立つワイバーンを牽制しろ。」

と指示を出してから様子を見る事にする。



             ◇


「いい。私がロック・バレットで全体攻撃をするから。その後すぐにお願い。そのあと飛び立つワイバーンは私が地面に落とすから気にしないで。」

と、フユーリーが言うとそれぞれが持ち場についた。


最もレベルが高いフユーリーは魔法が得意である。


「ロック・バレット」とフユーリーが叫びながら岩をワイバーン達にぶつける。



激しい岩の雨が降り注ぎ、ワイバーン達が傷つき混乱状態になる。

すると間髪おかず、上と横から剣を持ったアリエル達が飛び掛かる。


空を飛べないワイバーンは彼女らの敵ではない。

一頭だけ傷の浅いワイバーンが飛び立とうと地面を蹴ったところで、フユーリーの第二弾の攻撃を受け地面に落下。


30分ほどでワイバーン5頭を仕留めた彼女らは興奮状態で戻ってきた。


「ワイバーンの討伐終了しました。」

とフユーリーが報告する。


僕は、収納魔法でワイバーンを収納すると、次の獲物を探す。


それから5人で高位の魔物を50体ほど仕留めると、転移で街に戻った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る