第261話 2024夏アニメと『ヒストリエ12巻』の感想 (7)


●【水星の魔女】


 BS11での放送を知らず、一話のエンディングだけを見られた。

 

 ん?

 この特殊エンディング、地上波の本放送でも流れてたっけ?

 見た記憶が無いぞ。

 ネタバレにはなってたけど、円盤には収録されてるんだろうか。

 再放送と言えど油断できないな。



●【グレンダイザーU】


 公式サイトで旧作一話を見たので、それとも比較して書きます。


 新作は五話を視聴。

 デューク・フリードの妹のマリアが地球に来る。

 闊達なマリアと兜甲児は、乗馬や料理で対決。

 街に繰り出すと敵円盤獣が襲来。

 グレンダイザーが出撃して一件落着。


 ……これが、西暦2024年度に放送されているロボットアニメとは……

 変な対決のギャグに、いたたまれない気持ちになった。


 映画「ガンダムSEED FREEDOM」と同じ監督さんの作品とは思えない。

 いや、同テレビ版の悪い部分を抽出して煮こごりにした作品、と言うべきか。


 まあ、『邪悪な渚カヲル』に味方フラグが立ったようだが。

 マリアがアスカ枠、無口なヒカルがレイ枠か。

 

 でもさ、町が襲撃されてるんだから、モブ市民が逃げる画ぐらい描こうぜ。

 シェルターに避難した人々がブルーシートを敷いて座ってる画は在ったけど。

 座ってるだけなら、止め絵で済むから省エネにはなるけど……

 それで良いのか?


 そして、グレンダイザーの出撃シーンが出たのは初か?

 デュークの変身シーンは、旧作と一緒だった。

 けれど、一瞬で変化するのはつまらない。

 『Gガンダム』のような、トレースシステム的に見せてくれないだろうか。

 萌えが足りない。

 当時は、男性の変身シーンに需要を見い出せなかったのだろうが、今は違うぞ。


 また、大問題なのがフルフェイスヘルメット。

 口元が隠れて、表情が見えない。

 旧作と同デザインだけど、キャラが薄い分、顔を隠したら駄目だろう。


 戦闘シーンは、旧作の方が迫力がある。

 手描きで泥臭いけど、それが良い。

 新作はキレイすぎて、重量感が足りない。

 マリアの乗って来たロボットを見た時は『エヴァの使徒』を思い出したが。


 まあ、今後も見続けます。

 


●【ヒストリエ・12巻】


 ネタバレありです注意!


 



 その男は、最期を迎えた時に知る。

 自分は、新たな王を誕生させるための生贄だったと。

 だが、男は満足して息絶える。

 己が生まれた意味を知ったゆえに。

 

 王を倒した者が、次の王になる。

 神話に於ける『王殺し』の概念だ。


 この作品では、アレクサンドロス王子と瓜二つの男が、王を倒す。

 これは、『王殺し』の変形かも知れない。

 アレクサンドロス王子は父の仇を打ち、新たな王となる。


 しかし、王と王子の擦れ違いは、おぞましくさえある。

 王は王子を我が子ではないと知っており、二人の思いは交わらない。


 しかし……ここから、超展開が。

 一話からのアリストテレス関係の伏線が、怒涛の如く回収され始める。

 あの瓶詰め男が、ここで出て来るとは……。


 これら一連の流れは、第四王妃オリュンピアスが主導している。

 彼女は、第七王妃エウリュディケと赤子の王子の命をも狙う。

 エウリュディケは王子を守って壮絶な最期を遂げ、看取った書記官のエウメネスは愛した女を抱いて涙を流す。


 史実では、オリュンピアスがエウメネスを「信頼していた」らしいので、この後の二人の関係も楽しみで仕方がない。

 エウリュディケの命を奪った女と、エウメネスはどう対峙するのか。

 策謀に長けた二人の行きつく先を見守りたい。



 ……と云うことで、次回に続きます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る