第169話 2023夏クールアニメの感想(終)

●【伊藤潤二コレクション】


 第十二話(最終回)『潰談』『噂』を視聴。

 

 『潰談』は、グロ度が原作より大幅減。

 当たり前か。

 内容は……タイトル通り。

 奇妙な蜜を舐めた若者たちに襲い掛かる謎の潰現象。

 理屈もクソもねえ種明かし、と言うかオチは笑うべきか?


 『噂』は……原作を知らないと意味不明。

 絵も荒い。

 面白くない……と思う。

 なぜ、これを最終話に持ってきた?

 

 ん~、やはり伊藤潤二先生の漫画のアニメ化は難しい。


 

 

●【スプリガン】

 

 十二話(最終回)を視聴。

 黄金パターンの師弟対決。

 ピラミッドでの対決シーンの主人公の顔アップは良い絵があったけど……キャラデザを現代風にアップデートすべきだったか?


 何だかんだで超常の力が発動して探索終了。


 エンディング後に、学校に謎の転校生(暗殺者?)が登場。

 次回に続く……って、二期があるのか?


 『後宮の烏』も二期を感じさせるシーンを入れて終了だったけど、作る予定が無いなら、そういうシーンは入れないでくれ。

 そーいや、『亜人』も少年二人が崖から飛び降りたところで終わってなかったか?


 まあ、あとは原作を読めと言うことだろう。

 『Dr.STONE』は、原作最後まで放送してくれるんですよね?


 


●【青のオーケストラ】


 第二十二話を視聴。

 定期演奏会を前にしたオーケストラ部生徒の様子が描かれる。


 制作は「日本アニメーション」だが、絵が……。

 生徒が目を拭ってるシーンの手の大きさが変とか、そんな所ばかり気になった。

 前に見たら演奏シーンはモデリング使用だったけど、手描きとの落差が大きい。


 また今回の話は、もっとコンパクトにまとめられた気がする。

 演奏するホールでの生徒たちの会話とか、間延びしてる。

 会話だけで進行するせいだろうか。

 合間に回想シーンの動く絵を入れるだけで、印象が変わると思う。

 予算の関係もあるだろうけど、惜しい。

 

 

●【蒼穹のファフナー THE BEYOND】


 シリーズで言えば三作目。

 これでシリーズ終了なのだろうか。

 全十二話を、ひと言で表せば「話数が足りない」。

 多すぎるキャラを捌ききれなかった。


 前作までの主人公の一人だった総士は生まれ変わり、海神島で暮らしていた。

 しかし、幼少期に他の子供たちと共に拉致され、敵フェストゥムたちが擬人化・擬態化した島で、何も知らずに普通の少年として育てられる。

 両親も妹も、全てはフェストゥム。

 けれど彼らは人間の暮らしに興味を持ち、食べることや笑うことも学習していた。


 そんな総士の前に、先代総士の友人であった一騎とファフナーが現れる。

 ファフナーは島を破壊し、妹を殺害して総士を連れ去る。

 そこで総士は、初めて真実を知る。


 これが導入部なのだが、初見さんには一度観ただけでは理解できないと思う。

 面白ければ初見さんも視聴を続けるだろうが、いかんせんパワー不足。


 私は『EXODUS 』→『無印』の順に観たが、『EXODUS 』の導入部は素晴らしかった。

 一話・二話連続放送で、二話冒頭の戦闘シーンは引き込まれた。

 ファフナーの出撃シーン、機体ごとの個性、ファフナーが損傷したらパイロットがどうなるか、そしてパイロットたちの絆を余すところなく見せてくれた。

 

 新人パイロットの三人も、初見さんへの配慮だろう。


 話数が多いだけあり、キャラを捌ききった。

 その分、間延びした部分も否めないが。


 ところが、今回はキャラの名前すら判らぬまま話が進んで行く。

 ふんわり茶髪が多くて、見分けが付かねえし。

 敵の金髪男が誰かは、初見さんは全く分からん。


 新国連の婆様は、何か良い人になってるし。

 前作での「また会いましょう。真矢」の台詞を回収できなかった。

 

 竜宮島のコアの双子の片方は男の子かよ!

 これ、十話ぐらいでやっと分かった。

 ズボンを履いていたけど、女子制服はズボンとスカート両方あるし、ロン毛だし、あんまり喋らねーし。

 

 でもコアとなる子供は誕生した時には、水槽内で機械パーツと接続されている。

 女の子はビキニ的にパーツを付けていたが、男の子はどうなんだろう?

 ちょっと見たかったぞ。


 ……それはともかく、殆ど寝たままで終わったパイロットもいる。

 前作では冬眠し、今作で目覚めたパイロットの髪色が変わった理由も分からん。

 しかも、殆ど活躍の機会無し。


 執筆しながら観たので、見逃し・聞き逃している部分もあるだろうが、やはり説明不足。

 サイトを見て考察しなきゃならんのか。

 そんな時間ありません。


 最後はフェストゥムと何となく分かり合えた。

 人外の一騎と甲洋が、世界を見るために旅立って終了。

 真矢ちゃんは島に残って、一騎の帰りを待つ。

 何だ、そりゃ。

 まあ、この二人が普通に結婚できるかは疑問だが。

 

 良かったのは、無印から出ていたワンコが老衰で穏やかな最期を迎えたこと。

 その部分は泣けた。


 

 この作品、どうすりゃ良かったんだ?

 二代目総士と同年代の美和ちゃんに絞って描くべきだったのか?

 おそらく、初見さんには一番分かりやすいストーリーだろう。


 しかし、多数のメインとサブキャラを絡めると難しい。

 全員を描き切るには、話数が足りなすぎる。


 テレビ放送版はカットされた部分があるにしても、あんまりだ。

 続編が造れそうな終わり方だったけど、釈然としない。



 ――さて、今回で夏クールアニメの感想は終わりです。

 次回より、秋クールアニメの感想となります。

 見られる本数は限られますが、よろしけば読んでやって下さい。

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