第129話 2023春クールアニメの感想(2)

●【ヴィンランド・サガ2】


 十四話を視聴。

 アルネイズさんは、自らの過去をトルフィンとエイナル君、農場主ケティルの父親に語る。


 男たちは女たちの意思を汲めずに戦に向かい、守り手が居ない村は焼き払われる。

 幼い息子は襲撃者に奪われ、自らも奴隷として売られてしまう。

 アルネイズさんは、村の壊滅を招いた夫の行動を許すことは出来ない。

 農場主の子を懐妊した今は……。


 余りに悲しいエピソードです。

 二度と会えないであろう息子を想い、身ごもった次の子だけは――。

 母親としては当然でしょう。

 逃亡奴隷となった夫と再会しなければ、彼女の運命も変わっていた筈。


 聞き入る三人の男の思いも複雑だ。

 かつて殺戮に明け暮れた者。

 母と妹を殺され、奴隷となった者。

 過去の辛い出来事を忘れ得ぬ老人。


 ラストは、夜を歩くアルネイズさんの後ろ姿。

 BGMのピアノソロが印象的だ。

 権力に踏み潰された無力な女の悲哀を表現して余りある。

 それでも生きようと進む母の姿は美しい。

 

 

●【蒼穹のファフナー EXODUS (再)】


 初っ端から鬱展開。

 避難民を守ろうと必死な人類軍のファフナーパイロット。

 誠実そうな人で、自爆を決行するも、その前にズタズタにされて失敗。

 

 ラストでは、ついにメインキャラの一人が昇天。

 竜宮島の面々は敵対する人類軍でも、人間を殺すことを避けていた。

 インドの派遣部隊の人類軍は、主人公たちと共に避難民を守っている。

 けれど、人類軍の中枢は違う。


 ラストでは人類軍の一撃で、メインキャラが呆気なくやられた。

 彼は、自分が死ぬことを察知する隙があっただろうか?

 

 そして、人間同士の戦いは今も起きている。


  『ドラえもん』の原作に、こんな台詞があった。

 「戦いは金ばかりかかって」

 「むなしいものだなあ」


 ジャイアンとスネ夫の台詞だっと思うが、これに尽きる。

 


●【ストーンオーシャン】

 

 特殊OPとEDに感涙。

 ジョースター家の宿命は、一巡前の世界と共に終わった。

 彼らの戦いは、宇宙のどこかに記憶されたのだろう。

 新しい世界で、彼らの意志は生きる。

 受け継いだエンポリオと共に。


 エンポリオとの戦いでの、プッチの悪あがき声が笑えた。

 声優さんの熱演に感動した。

 

 一巡後の承太郎モドキも何とも……。

 最後に聴く承太郎の声が、こいつとは。


 ただ気になった点がひとつ。

 漫画のラストの見開きページ同様に、雨の中を車が去って行くシーンで徐倫たちの顔が浮かんだけど、アニメだと不要だと思った。

 ただ静かに、車が去って行くだけで良い。

 その方が余韻を感じられたと思う。

 あの見開きは、単行本で加筆されたんだっけ?



●【地球へ…】


 再放送のラスト回。

 惑星ナスカが人間たちに攻撃されて、ナスカに残っていたミュウたちが星もろとも惨殺される話。


 原作より、かなりマイルドになってます。

 原作では、ジョミーがこの時のショックで視覚も聴覚も失った筈。


 何より、アニメではソルジャー・ブルーがまだ生きていたことに驚いた。

 こんな展開・改変だったんかい!

 精神体かと思ったら、違ってて驚愕したぞ。

 

 ブルーとジョミーはナスカの同胞を助けようとするものの、多数が犠牲に。

 キースの冷酷な作戦だが、キースの副官に美少年が配置されてて目が点。

 ジョナと並んでる立ってる所が何とも……

 BLライクなサービスなのか?

 

 奇しくも、124話で記した「キースの嫌味な先輩が良い人になる回」だった。

 見られて満足、保存決定。


 この作品は原作も読んで思い入れがあるので、別のページを作って記したい。

 


●【天国大魔境】


 二話を視聴。

 キャラは割とポップな絵柄だけど、『寄生獣』ライクなシーンあり。

 原作を知らないと、ビックリするだろう。

 主人公たちの会話もお気楽気味だけど、内容はハード。

 

 『天国』を探して旅する主人公たちが立ち寄った農村の人々は、夜に葉っぱを吹かしてます。

 タバコを通り越したか。

 制作会社の意向に寄っては、タバコに改変されていたかも知れない。


 これ、二期を前提に制作してるんだろうか。

 二期は無理な気がしないでもない……。



●【水星の魔女】


 再開後の十三話を視聴。

 新OPは、見慣れると良い感じ。

 でも、やっぱ前期の『水星の魔女』とタイトルが出たシーンが好き。

 向き合うスレッタとミオリネ、そこに被さる音が印象的だった。


 前話の騒動が嘘のように、日常の学校描写から始まり。

 しかし学生たちには緘口令が敷かれ、穏やかとは言い難い。

 『株式会社ガンダム』には内通者も居て、波乱待ったなし。

 父親を手に掛けてしまったグエルも心配だ。

 

 スレッタとミオリネも、あれ以来会っていない。

 ミオリネは父の看病、事件の聴衆やら会社の話で忙しい。


 スレッタも、ミオリネたちを助けた方法が正しかったか悩み中。

 いや、助け方は正しい。

 あの場合は、あれしか無い。

 ただ、笑顔で血塗れの手を差し出したのがマズかった。

 それを正当化するスレッタママは、やはり怖い。


 スレッタも、精神コントロール下にあるのか?

 とにかく、ミオリネとの再会が待たれる。

 にしても、タイトスカートのミオリネは美しい。



 『ゴールデンカムイ』も観ましたが、再放送ですね。

 重要なタッフの方が逝去されて、放送が延期になったんでしたっけ。

 アニメーターや漫画家は、早世される方も目立つように思います。

 体には良くない業種なのでしょうか。

 私も休日は長くPCに向かっているので、気を付けねば。

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