第101話 オードリー・ヘップバーン『尼僧物語』
先ほどの話。
中国ドラマを観ていた母がキッチンに移動したので、チャンネルを回すと映ったのが『尼僧物語』。
オードリー・ヘップバーン主演で、かなり昔にも観たことがあります。
今回観たのは、ラスト五分だけ。
それでも、シスター役のオードリーの美しさに見惚れました。
調べたら、原作は実在のシスターをモデルがなっていたのですね。
物語の舞台がベルギーだったのも、初めて知りました。
修練の果てにシスターとなったオードリー演ずる女性は、父親がナチに殺されたのを知り、俗世へと還ります。
劇的な展開は無く、ひたすら会話劇が続いていた記憶があります。
けれど退屈せず、すごく面白かった!
尼僧スタイルのオードリーは、他のどんな映画よりも美しいと思います。
イエス様の花嫁となる儀式での、シンプルな花嫁衣裳も可愛らしかった!
ラストでのベールを脱いだ後のショートカットも、すごく美しい。
私がショートにしても、絶対に似合わないけどな!
そしてコートを着て、修道院から出て行くオードリー。
開いたドアから、去っていく後ろ姿を固定カメラが映し続けます。
分かれ道に来たオードリーは、ふと立ち止まり――意を決したように右に曲がり、物語は終わります、
シスターのベールを脱ごうとするオードリーの、最後の最後まで葛藤する姿が印象に残りました。
少女時代のオードリーも、戦争のレジスタンス活動のためにバレエを踊って資金を集めていたそうです。
もうひとつ、『テレーズ』と云う実在の尼僧を描いた映画も観たことがあります。
こちらも、イエス様の花嫁姿が描かれていました。
テレーズは結核で若くして死に、彼女に愛情を抱いていた同僚のシスターが修道院を脱出する所で終わっていた筈です。
実は、ココアを淹れに台所に行った数分の間に、映画が終わっちまいました。
録画もしていなかったので、ラストシーンを観ていません(バカ)。
この同僚のシスターは、監督が創造したキャラだと映画関係の雑誌で読んだ記憶があります。
フランス映画は、こういう小技が光ります。
こういう静謐な尼僧映画は、近年では作れないのでしょうか。
公共放送で、たまにお寺の僧侶さんたちのドキュメンタリー番組が放送されます。
私には無縁無理な暮らしですが、ちょっと羨ましく思えるのは何故かな?
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