第100話 スズメさんのお葬式

 今日の午前中。

 バルコニーの隅で、冷たくなっているスズメさんを見つけました。

 深夜の寒さと飢えのせいでしょうか。

 

 調べたところ、敷地内で発見した死骸は、敷地の管理者が処分するとのこと。


 積雪もあり、埋葬する場所もありません。

 やむなく、明日の可燃物と一緒に出すことにしました。


 クッキーの紙箱が、スズメさんの棺になりました。

 開封して女性用のナプキンを敷き、スズメさんを横たえ、クッキーを添えました。


 箱を閉じ、ビニールで包み、一番小さい可燃物用の袋に入れ、バルコニーに置きました。

 家に入れてあげたいけれど、仕方ありません。

 でも、窓から見える位置です。


 今頃、お空を自由に飛んでいるでしょうか。

 生まれ変わった時は、暖かい場所で、お腹いっぱい食べられますように。


 君のことを忘れないために、ここに記して置いたよ。

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