第80話 おすすめ映画「ファニーとアレクサンデル」
今朝は、一面の銀世界でした。
深夜のうちから雪明かりで室内が薄明るく、起床したら道も屋根も真っ白。
三日ほど前の夕方に見た、白い鳥の十数羽の群れは何処で過ごしているのだろう、と憂いたり。
そして今回のお題は忘れられない映画のひとつ、「ファニーとアレクサンデル」。
古い映画だし、ネタバレ有りで行きます。
この映画は、故イングマール・ベルイマン監督の全長五時間にも及ぶ長編です。
初公開から、三十八年ほど経っています。
高校生の時に深夜放送したのを観ました。
数夜に分けて放送していたと思います。
二十世紀初頭――
スウェーデンの裕福な一族が、夜半の雪景色の中を教会から帰邸する場面から始まります。
主人公は、劇場主の息子のアレクサンデル(十歳ぐらい?)と、妹のファニー。
しかし父親が舞台で心臓発作で死去。
後に母親エミリーは厳格で意地の悪い主教と再婚。
子供たちは母親と共に実家を出て、質素な主教館に引っ越しますが……。
以上は簡単なあらすじですが、昔に観たので断片的にしか覚えていません。
なので、覚えているシーンを列挙。
間違っている箇所もあるかも知れませんが、ご容赦を。
・映画冒頭、クリスマスを祝う一族。
・広い邸宅の部屋を回って歩き、親類たちに挨拶をし、輪になって踊る。
・このクリスマスのシーンが豪華! 女性たちのドレスが美しい! この冒頭シーンだけでも一見の価値あり。
・親類の歌手の女性が、親族の前で歌を披露。余談ですが、歌手を演じた女優さんは役作りのために本格的に歌を習い、コンサートまで開いたとか。
・アレクサンデルは、不思議な幻覚を見る少年。彼の見た幻覚が随所に挟まれる。
・義父となった意地悪い主教とその母親は、アレクサンデルとファニーを虐待する。
・エミリーは悩み、一族の家長の母ヘレナに相談する。離婚したいけど、出来ない。今の法律では、離婚したら子供たちは主教が引き取ることになる。解決策を見い出せず、エミリーは主教館に戻る。
・アレクサンデルは、自分同様に幻覚を見る年上の少年と出会う。
・少年はアレクサンデルを抱き、「君の義父が死ぬ所が見えるだろう?」と言う。
・この少年を演じていたのは女性。出番は短いのに、すごく印象に残った。
・その幻覚通り、意地悪主教とその母親は火事で死亡。
・アレクサンデルとファニー、母親エミリーと共に実家に戻る。
・一族はパーティーを開く。
・エミリーは主教の子を出産する。そのお祝いパーティーだっけ?
・その夜、アレクサンデルは「逃がさないぞ」と言う主教の幻を見る。
・アレクサンデル、祖母ヘレナの膝枕で本を読んで貰う。終わり。
五時間超えの作品なので、ひとつひとつのシーンが長いです。
冒頭のクリスマスシーンだけで、一時間ぐらいあるんじゃ?
けれど、退屈しませんでした。
分割放送だったし、圧倒的な映像と緊迫した演技に引き込まれました。
アレクサンデルの叔父さんと主教?が口論するシーンがあったと思うけど、どの辺だったかな?
でも、アレクサンデルの新しい妹は主教の子。
彼は義理の父親の幽霊に纏わられ続けることになりそうです。
ハッピーエンドと言えるのかな?
ベルイマン監督は牧師さんの息子だったそうですが、この映画で主人公の義父を意地悪く描いた意図は不明。
同監督の作品では「第七の封印」も印象深いです。
BSで放送したのを観ましたが、死神に憑かれた騎士たちの話です。
白黒作品で、中世の暗い不可思議な雰囲気に満ちています。
十字軍から帰還する途中の騎士は『死神』と出会い、チェスの勝負をします。
最後にはチェスに負け、騎士と従者たちは『死神』のマントに引っ張られて去って行きます。
信心深い芸人の男性が、それを目撃して終わり。
映画史上でも、類を見ない異色作です。
おすすめはしませんが、観て損は無いかもです。
では、今回はこれでおしまい。
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