第66話 インスタントラーメン一杯の幸せ

 昼食に、コロナ支援物資の『マルちゃん醤油味ラーメン』を食する。


 最初に、鍋敷きとレンゲをテーブルにセット。

 片手鍋に目分量で水を入れ、コンロに掛ける。

 

 その間に、瓶入りメンマ・生卵・昨夜の残りの茹でたブロッコリーを用意。

 生卵は小鉢に割り入れる。


 沸騰したら、麺を入れる。

 が、お湯が少し足りない。

 ヤカンの湯を追加。

 うん、麺が完全に湯に沈んだ。


 鍋の端に生卵を落とす。

 鍋にくっつかないように注意!

 ここでブロッコリーとメンマを投入。

 

 弱火で煮込みつつ、液体スープと薬味のコショウも投入。

 いい具合にグツグツ、醤油の仄かな香りも漂う。


 ここで火を止め、鍋ごと運んで鍋敷きに置く。

 ドンブリ?

 鍋で充分、洗う手間は省け!

 節水せよ!


 湯気の立つ鍋を前に「いただきます」。

 十年以上食べていない、懐かしい醤油味。

 スープをすすると、記憶が一気に蘇る。

 

 あの味だ。

 香ばしく、文章では表現し難い澄んだ醤油味。

 食べた者にしか分からない味だ。

 舌に触れた瞬間、「ああ、これだ」と納得する。


 崩さないように煮込んだ卵は、今日は黄身も固まっている。

 溶けだす半熟も好きだけど、醤油味にはこれが良い。

 ブロッコリーも、醤油味に合う。

 これからは、醤油ラーメンにはブロッコリーを入れよう。

 メンマは最強のラーメンの友だ。

 コリッとクニャッとした食感がたまらない。


 麺に絡む醤油スープ、ブロッコリーとメンマのアクセントで、麺は早々に胃袋へ。

 残ったスープは、レンゲで残さずにすする。



「ごちそうさまでした!」

 

 どんな食べ物でも、人を至福を与えられる。

 準備してから食べ終えるまでの十数分。

 それは至福の魔法の素敵な時間。

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