第61話 映画『気狂いピエロ』の自主規制


 昨日、テレビで番組表を表示して見ていると『気狂いピエロ』が目に入りました。

 おっ、やれるじゃん!とニンマリです。

 『勝手にしやがれ』のゴダール監督と男優りジャン・ポール・ベルモンドが再び組んだ映画で、共に刹那的ラストシーンが印象深いです。

 

 『勝手にしやがれ』は白黒でしたが、『気狂いピエロ』は鮮烈な色彩に満ち満ちた作品。

 

 自暴自棄に陥った主人公は顔を青く塗り、ダイナマイトを顔に巻き付けます。

 黄色と赤に塗られたダイナマイト、空の青、炎、光に白く沈む海。

 

 まごうことなき傑作ですが、そのタイトルゆえに、昔の地上波深夜放送では、フランス語発音をカタカナにしたものが新聞の番組表に載ったのは有名。

 要するに、『自主規制』ってやつです。

 

 

 しかし、今回はちゃんと邦題『気狂いピエロ』と載ってるじゃないですか。

 昔の作品だし、衛星放送だし、今さら誤魔化す必要は無しってことでしょう。

 

 

 『ベルセルク』はキャスカの『物ぐるい』はOKだったし、一応『物ぐるい』を検索したら『死に物狂い』がヒット。

 『死に物狂い』は規制できないだろうし、『狂い』はOKなのだろうか?

 

 そう言えば、某アニメの再放送で『目くらまし』がピー音で消されたって話を読んだっけ。

 

 『獄門島』は「季(語)違い」で、原作通りの映像化は難しくなりました。

 『ノスタル爺』の『気ぶり』はギリギリラインなのか?

 

 ホントに、この辺はお偉いさんの匙加減なんだな、と思います。

 過剰な『自主規制』が、優れた作品の本来の形を歪めませんようにと願います。

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