第3話
茹だるような暑さの中、ワンピース姿の女性は坂道を登っていた。小さな頃の記憶はほとんど忘れたのに、この道はハッキリと覚えていた。
坂道を登りきり、以前に一度だけ入った小道に入る。家壁の影に覆われた道は、ひんやりと心地よかった。
古びた玩具屋のショーウィンドウに、その人形は飾られていた。桃色の頬に、豪華なドレス。球体関節の少女の人形は、初めて見た時のまま、優しく笑っていた。
女性はおもちゃ屋の扉を開ける。カラカラと懐かしい音がした。
「いらっしゃい。何かお探しかな」
思い出のおもちゃ屋さん LeeArgent @LeeArgent
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