第67話 リア・クラークは学生生活23日目の午後に生徒会からの召喚状を受け取る
生徒会からの召喚状は、それから10日後に私の部屋に届けられた。
私を医務室に運んでくれた彼から、食堂で話があってから数日は、戦々恐々としながら生徒会からの召喚状を待っていたけど、もう10日も過ぎたら召喚状のことは忘れかけてたよ……。
現実逃避をするために、スキルボードを確認しよう。
私の現在のスキルボードはこんな感じ。
異世界の記憶 → 読書 → 清潔 → 夜目
↓
刺繍文字
『刺繍文字』を覚えてから、何のスキルも覚えてないの……。
毎晩、寝る前に『空間収納』スキルが欲しいって言いまくってるのに!!
この世界の神様は、私の話を聞いてくれないの……?
単位は『初級クラス』の必修の授業『ネルシア中級語』は単位を取った。
成績は、もちろん『優』だ。
『ネルシア中級語』の授業内容は、ひらがなの勉強だからね。日本の小学校を卒業した私には、簡単なんだよね。
『ネルシア中級語』の授業に苦戦していたドロシーは、私と同じ時間にテストを受けて『可』を取った。
その後、ドロシーは『乗馬』の授業を受け、授業の内容が楽しくてもっと受けたいと言って、わざとテストに落ち続けている。
『初級クラス』の必修の『ネルシア中級語』は単位を取れてるからいいのかな?
私は『初級クラス』で選べる任意授業の『かけ算』と『割り算』と『音楽』の授業でサクっと単位を取得した。
もちろん、全部、成績は『優』だよ!!
私『刺繍』の授業ではものすごく劣等生だったので、全部、成績が『優』で、優等生気分が味わえたのは嬉しかった。
『かけ算』と『割り算』と『音楽』の授業は、日本で習ったことと似たような授業内容だったと思う。
『音楽』は楽譜が読めない生徒は苦戦していたみたい。
『初級クラス』で選べる任意授業で残ってるのは『乗馬』だけなんだけど、授業を受けるか迷ってる。
だって、落馬して首の骨を折ったら死にそうじゃない……?
『井上愛子』だった時に読んだ少女小説や少女漫画で、ファンタジー小説で落馬したキャラは高確率で死んでいた。怖い。
任意授業が一段落したから、家から送ってもらった布地に『刺繍文字』を縫ってみようかと思ってたのに。
『刺繍』の授業を受け続けて、しばらく刺繍はやりたくなかったから、ドロシーに布地を銀貨2枚で売った後は、布地を放っておいたの。
せっかく刺繍な気分になったのにー!!
ああ、もう現実逃避する話題がない。
私はスキルケースにスキルボードをしまって、スキルケースを引き出しの中にしまう。
『生徒会室』の場所がわからないから行けなかったって言ったら、怒られるかなあ……。
私が『召喚』をサボる方法を真剣に考えていると、扉をノックする音がした。
***
リア・クラーク(6歳) 学生生活23日目の単位取得状況
・Ⅰー1 基礎クラス
『ネルシア初級語』単位取得 成績『優』
『足し算』と『引き算』単位取得 成績『優』
・Ⅰー2 初級クラス
『刺繍』単位取得 成績『良』
『ネルシア中級語』単位取得 成績『優』
『かけ算』単位取得 成績『優』
『割り算』単位取得 成績『優』
『音楽』単位取得 成績『優』
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