第20話 リア・クラークは『読書』スキルの内容を確認して『Ⅰー1 基礎クラス』の担任の先生の名前を知る
さっきは『異世界の記憶』をタップしたので、今度は『読書』をタップしてみよう。
私はそう思いながら『読書』に触れた。
『読書』のスキル内容が表示される。
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スキル名 読書
凄まじい冊数の本を読んだと知識と探求の神バァンに認定された者に与えられる。
『読書』スキル習得後に読んだ本の内容を記憶しやすくなる。
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これ微妙なスキルじゃない……?
『本の内容を記憶しやすくなる』っていうのがめちゃくちゃ曖昧だよね。
『本の内容を全て暗記することができる』とかだとめちゃくちゃ感動するのに……。
私が心の中で愚痴をこぼしまくっていると、教室の前の扉から名簿を手にしていた教員らしき男性が入ってきた。
教員らしき男性は、白髪交じりの髪に、細身で猫背。
中間管理職的な悲哀を感じる……。
教員らしき男性は、教卓の前に立ち、口を開いた。
「『Ⅰー1 基礎クラス』へようこそ。このクラスは入学テストで足し算、引き算、ネルシア基礎公用語の習熟が足りないと判定された者が振り分けられるクラスです。僕の名前はデクスター・ホーランド。この『Ⅰー1 基礎クラス』を担当します」
うわー。
『Ⅰー1 基礎クラス』って幼稚園児レベルの生徒が集められてるってこと?
まあ、そうだよね。
『リア・クラーク』は6歳のわがままお嬢様だったんだから、勉強なんてしているはずもない。
「生徒諸君の教科書はすでに学生寮の各部屋に配られています。これから4月の授業予定を記載した紙を配布します。受け取った生徒は自分の分を一枚取った後、後ろの席に紙を回してください」
ホーランド先生はそう言いながら、紙の枚数を数えて窓際の一番前の席の生徒に渡し始す。
廊下側の一番前の席に座っている私は、少し緊張しながらホーランド先生から4月の授業予定を記載した紙を渡されるのを待った。
ホーランド先生が廊下側の一番前の席に座っている私の前に立ち、4月の授業予定を記載した紙を数えて差し出した。
私は差し出された紙を受け取り、自分の分を一枚取って、後ろの席に回す。
その後、手にした紙に視線を落とした。
これ、時間割というよりカレンダー?
日本にいた頃のような質の良い紙ではなく、ざらざらした質感の紙に黒いインクのような物で手書きで書かれている。
これ、もしかして、一枚ずつ全部、先生が手書きで書いたの……?
そんなわけないよね……?
コピーの技術とか、あるよね……?
紙の上部に『4月』と太字で記載されていて、1から30までの記載あり『1~4』『6~9』『11~14』『16~19』『21~24』『26~29』の数字に丸がついている。
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