第2話 翌日、学校で。

翌日 ゆいのおかげで気分が良くなったので学校を休まなかった。いつも例会に敗けたら体調を崩して2日休むことが多い。それぐらい唯の笑顔はかわいい。


僕は大抵学校の始業30分前に学校に着くようにしている。今日もいつも通り30分前に着いた。

「さてルーティンを始めますか」

僕がいつも始業前に詰将棋・必死問題・次の一手問題をすることにしている。難易度は高いときもあれば簡単な問題を早く解くときもある。

「あ、宇宙そらくんだおはよう。何読んでるの」

今日は広町さんが声をかけてくれた。僕は基本学校では1人でいることが多い。あることがきっかけで自分から声をかけることが怖くなった。

「広町さんおはよう」

挨拶を返しルーティンに戻る。すると1枚の紙がひらりと舞った。

「はいこれ。落とし物だよ」

今日のしおり代わりに何挟んでたけ。

「宇宙くんって将棋指すんだね。私もよく指すよ」

詰将棋の処女作だった。すごく恥ずかしい。

「まあな。よく指すよ」

「ところで宇宙くん将棋部に入らない」

「えっ。この学校に将棋部あったの」

「知らなかったんだ。ところで入ってくれる」

どうしようか。部活自体は入ってみたかった。けれど将棋部は遠慮したい。なぜなら学校で話さなくなったのは将棋が原因だったから。

「見学してから決めていいかな」

「もちろんいいよ」

今日も彼女の笑顔は僕まで笑顔になれるくらいかわいい。


その日の放課後に将棋部の活動があったので早速参加することにした。

「えっ」

そこにいたのは小学生のとき将棋で泣かせた女の子だった。僕はその場で固まってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る