君の笑顔に魅せられて…
二葉弥生
出会いとハルの風
第1話ハルの暴風
初夏の風が僕の頬をすり抜けた。僕の優勢だったはずの局面は一気に敗勢になっていた。
「えっ」
僕は震えた。今日敗けたら昇段が厳しくなる。でも逆転の目がない。どの手を指しても自分の玉が寄ってしまう。僕は天を見つめることしかできなかった。
僕は二葉
今日の例会は1勝1敗で6勝2敗。始まったばかりのリーグで2敗は先が厳しい。しかも次の例会は今まで勝ったことのない人が相手だ。
僕は青い空が真っ白に見えた。
次の日、僕は気分を変えようと街を歩いた。
すると通りで男女が揉めている。
「君今1人かな?一緒に遊ばない」
「いえ。結構です」
「一緒に遊ぼうな」
「いえ。大丈夫です」
「しつこいな。俺が声かけてやったのによ」
面倒くさい。ナンパ男についていくわけないのに。よく見たら声をかけられてるのって同じクラスの広町唯じゃないか。クラスメイトとわかった僕はナンパ男のところへ。
「
「あぁん。お前誰だよ」
「ただのクラスメートだが」
「はあふざけてるのか」
ナンパ男は殴りかかってくる。でも相手が殴るところをすでに読み切っていた。男の拳が空振り、つまずいた。
「唯。今のうちに逃げるよ」
「うん」
なんとか逃げ切りた僕は唯の手を握っていた事に気づく。
「ごめん広町さん」
「いいえ。ありがとうございます。ところであなたは」
「クラスメイトの二葉宇宙。ごめんね急に馴れ馴れしくして」
「おかげで助かりました。ほんとにありがとう。二葉さんかっこよかった」
僕は彼女の見せてくれた笑顔に惹かれた。
「ありがとうございます」
彼女の笑顔が僕の落ち込んでいた気持ちを飛ばしてくれた。
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