楽しみ方がわからない
千歳に「今度はお前から手を繋げ」って言われてたけど、咲さんから即、手を繋がれたので機会を逃してしまった。反省……。
咲さんに選んでもらった服を着たら、確かにシュッとして見えた。自分の魅せ方をわかってる人は他人を着飾るのもうまいんだなあ、今日教わったことは今後服を買うときに意識しよう。
家に帰って、「見て、チョコミント色の服買ってきたんだ」と千歳に自慢した。千歳(黒い一反木綿のすがた)は目を丸くした。
『本当だ! チョコミント色だ!』
「本当はペパーミントグリーンっていうらしいけど。咲さんにパステルカラーが似合いますよって言われて、選んできたんだ」
『へえー、似合ってるぞ。なんか全体的にスタイルがよく見える』
「スタイルがよく見える服も教えてもらってさ、いくつか買ってきた。俺、上半身が薄くて、下半身はそんなでもないから、スキニージーンズとか足首出したりとかするといいんだって」
『よかったな。……なんか、チョコミント色見たら、チョコミント食いたくなってきた』
「ではこちらをどうぞ」
俺は、咲さんと別れた後に輸入食品店で買った、チョコミントの箱を差し出した。
『え、いいのか!?』
「お土産。コンビニでもAmazonでも見ない奴だから、千歳食べたことないかなと思ってさ。ミントクリームをチョコでくるんであるんだって」
『わー! うまそう!』
千歳は大喜びでチョコミントを受け取った。千歳が喜んでくれると、俺も嬉しい。
……咲さんと一緒に楽しいことをしたい、と話したけど、今日は正直……千歳にあげるチョコミントを探してたときのほうが楽しかった。いや、別に咲さんといてつまらないわけじゃないんだけどさ。
うーん、服っていう、俺があんまり詳しくないジャンルだったからよくなかったのかな? どうすればいいだろう、俺の好きなもの……なんだかんだで小説も漫画も好きだし、今度は咲さんと本屋にでも行くか? 咲さん、男の娘好きってことは、相応に漫画も小説も好きだろうし……。
彼女できるって、もっと舞い上がるかと思ってたけど、考えることが多いなあ。まあ、若いうちから普通に付き合ってる人は、普通にこういうことやってるんだから、俺も頑張んなきゃいけないんだよなあ……。
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