第18話 シロロVSルディ

 シロロに村の牧師様が回復魔法をかけた。すると元気になりブンブン尻尾を振り私に懐いた。


 シロロは


『ご主人様ーー!どうぞこのシロロ一生ついて行きます!!』

 と私にだけどうやら言葉がわかり会話できる。使役獣となったから当然らしい。


『その前にシロロの仲間達に村は襲わないよう言ってね?人間は襲っちゃダメよ?』

 そう言うとシロロは


『わかった!お任せあれ!!部下達は我の言うことなら何でも聞くんだ!』


『そう、良かったら村を守るために警護とかしてくれると嬉しいわ』


『了解しました!!』

 とシロロは言う。そしてシロロは殺した村人達も命の泉へ案内して泉に村人を入れるとなんと息を吹き返した!!


「こんな泉があったんですね!」


『ふん!下等生物が!お前達に教えてやるだけでもありがたく思え!!』

 と聞こえないのをいい事にシロロはルディが嫌いなようで悪口を言いまくっていた。


「…そこの犬なんて?」

 とルディが言ったので


「まあその…特別に教えてくれたみたい」

 と言うとルディはにこにこしてシロロの頭を撫でてやるとシロロが

 ルディの足元に行き片足を上げなんとオシッコをかけた!!


「わあっ!!」

 とルディは青ざめた。


『は!気安く我に触るな!下等生物が!!気安く我がご主人様と話すな!!』

 とグルルルルと唸り声を上げた。

 ルディは


「なんなんですか!?この凶暴な使役獣は!シャル!きちんと躾けなさい!」

 と言うとシロロは


『ご主人に命令しやがって!気に食わん小僧め!』

 と再び睨み合うルディとシロロ。

 しかもルディだけに冷たいようだ。村の子供達が犬サイズになったシロロを触ると


『ふん!まだガキだから多めにみてやる!我のフワフワの毛を触らせてやること光栄に思え!!』

 と威張っている。ルディはなんとなく感じ取り


「何なんですかあいつ!?俺にだけ冷たいし態度悪いし噛み付くし!!俺のこと嫌いなんですか?」


「好かれてはいないみたいね」

 と言うとルディはため息を吐く。


 その後数日後に駆けつけた騎士団やギルドの冒険者達に説明して終わった事を告げると皆やれやれと疲れながら帰って行った。お騒がせしました。


 *

 男爵家にシロロを連れて戻ると皆が可愛いシロロを見て


「まあ!!可愛いわ!」

「ほう…使役獣とはやるな」

「群れのボス?ちっこいのにやるね!」

 ザビーネさん達も感心してシロロはルディ以外には尻尾を全快に振って甘えた。ルディはそれを見て


「俺の時とやっぱり全然違う!何だこいつ!?俺だけ嫌いなんですか!?あ、でもそしたら同じ顔のフリッツも嫌われることになるか!」

 と言うとシロロはルディの言葉を聞いていたのか


『ふん?こやつ双子か何かか?』


『そうよ。双子のお兄さんは家を出て街のギルドにいるのよ』

 と言うとシロロは


『ふむ。了解した。』

 と言うとシロロはボフンと煙を飛ばしたと思うと…なんと長身の私と同じ白髪の男になった!めちゃくちゃ顔がいい!!


「まぁ!姉弟みたいね!」

 奥様が驚く。


「それ程でもないぞ!」

 と人語を喋るとおおっと皆は声を上げた!!


「喋れるのか!?」


「ふん!この姿ならばな!!誇り高きスノーウォルフのボスとして当然だ!この下等生物め!」

 とルディに挑発した。


「は?…凄い口が悪い!全く気分が悪いですね」


「それはこちらも同じだ!貴様…ご主人様に手を出したら殺すからな!」

 と睨む。ルディは


「はあ?シャルのご主人は俺だし俺の言うことも聞いてくださいよ!?」


「誰が下等生物の言うことなど聞くか!我が忠誠を誓うのはご主人のみだ!」

 とシロロも睨み合った。


 私は割って入り


「シロロもルディも仲良くしてよ!」


「はあ?無理ですね!こんな獣と!」


「我が主人…こいつのことは嫌いだ!!」

 と2人とも険悪だ。


「シロロ?私の言うことなら聞くんでしょ?ならルディとも仲良くやってみなさい?」

 と言うとグウと唸った後シロロは


「仕方がない!ご主人様の命令だから仲良くしてやろう!光栄に思え!」

 と言う。あ、ダメだなこりゃ。


「なんですか!?その態度は!全然仲良くする気ないではないですか!」


「ご主人よ、なぜこんな奴に使えておる?森で我らと暮らそうぞ!森には食べ物もある!我らは狩が得意だ!」

 と言うから困る。


「いや…ある程度は人間の暮らしがしたいしね…。ごめんなさいシロロ…」

 シロロは私が元侯爵家の娘だとは思ってないだろうしバレたら家族や王子を殺しに行きかねない。


「では村で暮らそうぞ!!」

 とシロロは言う。


「シャルはうちの使用人です!勝手な口を挟まないでもらいたい!魔物の分際で!」


「なんだと!?貴様!下等生物生物の分際で生意気な!」


「ふん!その下等生物の使役獣になった貴方は下等生物よりもっと下と言うことになりますが??」

 とルディは返した。シロロの怒りを感じた。不味い!


「シロロ!お願いもうやめて!!もういいから何も言わずにいて!」

 と言うとシロロはルディを睨み大人しくなる。


 それからルディとは一切口を開かずに私にべったりしていた。ルディもシロロのことは嫌いらしく目を背けていた。


 ついでに私ともルディは口を開くタイミングが合わない。

 そんな中新たな人物が訪れた。ルディの幼馴染と言うアランさんと言う人だ。

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