第17話 ボスとの戦闘
ズドンとスノーウォルフの一頭に命中し
「ギャン!!」
とドサリとスノーウォルフが倒れ込んだ!!それを見て皆は歓声を上げた!!
「すげえ!やるなお嬢さん!!」
と褒められた。良かった!!日頃怒りを溜めておいて!
しかしそこへもう一頭が村の男に飛びかかった!
「うわあーーー…」
男は飛び掛からられ首をガブリと噛まれ血を流し
「ひぎっ!」
と言いあっという間に死んだ!!
ええっ!?
「油断するな!!」
「ああ!ミゲロ!!」
と男が死に村の男達は怯える。
くっ!!なんてこと!
「火魔法を打ちまくれ!!」
ルディが指揮して一斉に火魔法を放つ皆!スノーウォルフは男を残し森へと逃げた!!
「ちっ!不味い!きっと仲間を起こしに行ったんだ!ボスも連れてくる!!」
「……俺たちの周りを火で囲む!!」
とルディは土を少し掘り始め皆も手伝いそこに油を少し流して火をつけ身を守る作戦だ。
するとスノーウォルフ達は群れでやってきて一際大きな群れのボスがいた。
「くそ!あいつさえ倒せば!!」
とルディは火魔法の矢を放つがボスはそれをなんと噛み砕いた!!
「嘘だろ!?あいつらは火が弱点なのに!」
と男は震えた。
そして私はボスがルディの事を見ているのに気付いた!
え?まさか…ルディの事を狙ってる!?実際にこの場を指揮しているのはルディ!まさか…こいつらも頭をやればいいと思って隙を狙ってるの!?
どうしよう。
とにかく私も怒りを溜めなきゃ!人形に魔力を貯めるため過去エドガーの冷たい目とか思い出す。しかしもうあんまり溜まらない!!ど、どうして??
私がエドガーのことなんかどうでも良くなったからかしら??
うう、じゃ、じゃあ勝手にキスされたルディに対し怒りを発動させようとしたがなんだか恥ずかしくこれも違う!
わーん!どうして肝心な時に怒れないの!?
しかしその様子を見てスノーウォルフの一頭が私に飛びかかって来ようと炎を潜り抜けやってきた!なんて奴なの!?
ルディが目の前にさっと立ち火魔法を放つがスノーウォルフは燃えながらもルディに噛み付いた!!
「ぐう!」
ルディは火魔法を強めスノーウォルフはバタリと死んだ。
ルディから血が滴る!!
「ルドルフ様!!」
「あぎゃ!」
指揮が乱れた隙をつきスノーウォルフ達は他の村男や警備兵の男達に飛び掛かってきた!
ま、まさか私を庇うルディを囮にして怪我をさせ指揮を乱した隙に!?じゃあボスはこの隙にルディを!?
見ると真上に大きな影!ボスがルディの首を狙い降下してくる!!
私はルディを押してギロリとボスを睨んだ!ブワリと魔力が溢れて破裂する感覚がした!!
「この!クソ犬があああ!お座りなさいいいいい!!!!」
爆風と爆発でスノーウォルフ達は吹き飛ばされた。
ボスは何とか立っていた!しかし私と対峙する。
「…まだお座りしないのね!?悪い子だわ…」
なんか腹が立った。わからないけどとってもこんなのが村に来て襲いに来ると思うと…。
「グルルルル」
と喉を鳴らし威嚇してくるが私ももはや止めるつもりもない!
「私を怒らせたことを後悔させてあげるわ!!」
ボスがこちらに走ってきたのを見て私はこんなのに食われて死ぬなんて許せないと思った!私のお葬式は綺麗なものにしたいもの!咬み傷だらけの惨めな死に方は嫌だし体の一部が無くなるのも嫌だ!
「みっともないのは嫌なのよおおおおおおお!!」
周辺が爆発を引き起こす!!
ルディは
「皆さん避難を!!」
と声をかけていた!!
それでもこの後爆風の中ボスは私を噛んでやろうと進んでくる!!なんてしつこい犬なの!?あ、狼だったわね!
でも…
私はこのデカい犬に怒りが湧きゲンコツしてやりたくなりドンと土を蹴りボスの真上まで飛躍していた!!制御が効かず雲まで行ってしまったけどそれから降下し
「お座りって言ったでしょおおおおお!!」
と私はボスの頭目掛けて魔力を纏った。
踵落としをキメると周囲を巻き込んだ爆発と共にボスの頭部に一撃が加わり頭がボコンと土にめり込み身体だけ地中から浮いて出てダラリと倒れた。
ズズンと巨体が倒れて他のスノーウォルフは逃げ出した。周囲の森はもはや木すら生えていない!
ルディ達は?もしや巻き込まれて死んだ!?
と辺りをキョロキョロして煙が晴れるとルディ達は無事な森の岩陰から
「…シャルー…」
と顔だけ出して手を振った。
なんだ生きてたのね。
私はよく見たら服がボロボロだ。
ルディも腕を噛まれて応急処置でシャツで縛ってたけど真っ赤だ。
「大丈夫?ルディ…」
「そっちこそ…無茶して…」
となんかお互いに抱き合う。
グスっと聞こえた。
「ルディ泣いてるの?」
「怪我が痛いだけです!」
と強がりを言う。
「ほら、私を連れてきて良かったでしょ?」
「一歩間違えば死んでいたし…森も結構死んだ!あーあ!全く!」
と言う。
するとスノーウォルフのボスの身体が動いた!!
「ひっ!」
「まだ動けるのか!?」
警戒していると頭を土から出したボスは頭から血を流してフラフラし私を見ると…べたりと座り頭を下げてきた。
「!!これ…は降参の意!!」
ルディが驚く!!
「え?」
「シャル!!こいつを使役して下さい!ほら学園で習ったでしょ?」
「ええと一応…そうだ!」
私はボスの前で手を翳し
「汝!我が下僕となるべく契約を交わす!!汝に名を与えようぞ!!……シロロ!!」
と言うとボスの身体は光りボフリと煙に包まれた。それから煙が晴れると小さな犬が頭に怪我をしてバタンと倒れた。
ルディは
「シャル…よくできました。名前のセンスはアホですが…こいつはもう貴方の使役獣です」
と倒れている犬を指差した。
とりあえずこれで村は守られた。周りのスノーウォルフもボスのシロロの命令は聞くだろうしね。
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