第4話―すれちがう―
アツヒメは
とある休みの日、ぼくはアツヒメを連れられて公園に来ていた。とりあえず手をにぎる。
あたたかくてドキドキする。それに気持ちよく起きたようなスッキリを感じた。
はなしをして終わると思った。
「ねぇ、ズイ付き合わない」
「ああ、そうだけど……これって付き合っていることじゃないの」
「ごっこじゃなくて。本当のカップルにならない……ウソとかじゃなくて……」
ほんとうのカップル。
みりょく、な事だと思う。けどなにか違うような気がしてならない。
「うん。いいよ付き合おうか。ほんとうに」
こんな、かんたんに、ぼくらはカップルになった。うつくしい話なはずだけど帰ってみて考える。ぼくの決めたことは、うつくしくなんて無かった。
――そして二週間がたつ。朝の学校でクラスメートの女の子から算数のことをわからないことがあるから教えていた。それがよくなかった。
「ねぇ、どうして楽しそうに話をしているの」
「いや、こういうとき教えるのふつう。べつに楽しいなんて思っていないから」
「うそッ!ズイって、わらっていた」
ぼくのカノジョはおこっていた。
その恋人がほかの人と楽しげにすることをムカムカするの脳によぎる。
これは…しっと。
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