第2話―かくされた禁止―
重たかったランドセルからようやく置くことができる。かいほう的になり肩は
心なしか心や頭もかるくなった……気がする。
席につこうとタンタンと足音をたてながら近づいてくる。ハッキリとした早足で。
「おはよう
はじけるような顔で、おはようと元気よく言うのはニセのかのじょ
「うん、おはよう
ここでは、さんづけで呼んでいる。
そういうルール――校則があるから。りゆうは調べていたらわかるはず。へんにあだ名をつけるとイジメに発展するかもしれないからと。
「ねぇ知っているかな、きいた?となりのクラスの
「行くって……引っ越し」
「そうみたい。なんでも今のうちに慣れておく必要があるんだって」
「ふーん」
きょうみ無かった。おそらく篤姫の友達とかなにかだろう。だれか話をしてきたし、理解とかしてはずむと思っての行動をした。
そのまま言えばショック受けるのが分かっているから口にはしない。
そこまで子供じゃないんだから、なんでも言えばうまくいくとは限らないのだ。
「まあ、かなしい話はこのへんにして。
今日もかえってくれる。一人で帰るなあと口うるさくて、だからいっしょに!」
りょうてをテーブルの上にバンと叩くように置いて、下校には付き合ってほしいとかさそってきた。
かんじょうが高ぶってなのか、ほっぺはみるみる赤くなっていく。
「ああ、いいよ」
遠回りにそうしたのは、ここでは友達でいることを決めているから。表には出せない理由はたくさんある。そのなかでおおきくしめるのは恋人がいることの学校生活の変化。
それはあまり良くない。他にもクラスでそうした関係性もいる。だから知っている。
カップルは周囲から注目されたりする。ゲンナリするのを流し目で見てきたから学校では、かくし通さないと。
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