ニガクながい予約の道
立花戦
第1話―恋人ごっこ―
ずっといるようで
小学生として過ごせる最後の一年。
ぼくの心は今日の天気とおなじく晴れやかでいてなんでも出来そうな気持ちに
この日は近所のスーパーでデートしていた。
「ねぇズイ。こうしていると本当の恋人みたいでドキドキするなぁ。
なんだかたのしい、たのしい!」
ぼくのとなりで明るくまぶしく
同い年であるカノジョは無邪気になって
騒いでいる。
「うん、
「あっ、そうだった。
えーと今日はマーボードウフにするから……とうふ、おにく…それと……メモみよう」
赤いロングスカートのポケットからスマホをとり出すと
ぼくには、まだスマートフォンというものを持っていないから少しだけ…うらやましい。
「みそしるのざいりょう!ネギとか入れる
デートに、はしゃぐアツヒメはめちゃくちゃハイテンションだ。こうなると言葉などを知っている数の
「りょうかい。
それじゃあ
「はーい」
この子とは恋人だけど本当の恋人ではない。
ただ仲のいい友達で恋愛という気持ちをいだいていない。
恋人ごっこ。
「ネギと……ほかには」
「ニンジンとじゃがいも。ズイいっぱいあるけど、どれが安くて、おいしいとおもう?」
ズイと
まだ本当の恋というとのを知らない小学六年生。このつきあいは、となりの友達が好奇心からはじまったもの。
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