中3編 進路指導
朝の体育館佐藤と話しながらサーブを打っていた。
田中『今日進路指導の日なんだけど、何話した?』
佐藤『まず行きたい高校を言って、その後にそれはお前には厳しいと言われ、次のテスト頑張れ、、、、、、、、』
田中『アバウト過ぎるだろ笑』
佐藤『しょうがない、自分の意志があまり無いから、でも近くの高校行くぐらいの内申点もあるしテストもそこそこ出来るからいいや。』
田中『羨ましいよ内申点ギリギリ1がつかないだけで、テストもボロボロでも何とかなるかな笑』
佐藤『まぁー話してみないと分からんよ。』
田中は少しだけ焦り出していた。みんなそれなりの道を切り開いて、妥協するか妥協しないかを選べるぐらいは勉強している。自分は選べるほど勉強していない。今まで何もしてこなかった事を少し後悔した。
放課後、チャイムが鳴る。
いつもならそのまま部活動、今日は進路指導、少し変化があるだけで身構えてしまう。
高美『田中君今日進路指導だよ!!行こう』
田中『うん、』
高美『どうしたの?そんなに嫌なの?』
田中『うん。だって行ける高校ある気がしない笑
心配でしか無い。』
高美『私もそんなに勉強苦手だよ。下から数えた方が早いんじゃ無い。』
田中『下から数えたらトップ3ぐらいに入るかも知れない自分。』
低レベルな学力で競い合っては、成長しないのだが、高美さんが勉強苦手と言って事で少し安心した。
高美さんが進路指導の部屋に入る。その背中を見ながら廊下に置かれた椅子に座る。
高美さんどこの高校行くんだろ。同じ高校行きたいな。そう考える。ため息が出て来る。
扉が開き高美さんが出てくる。
高美『次田中君だよ!!頑張ってよね。』
田中『あれ何か早いね。とりあえず行く。』
そう言って進路指導の部屋に入る。ただ担任と話すだけなのに、少し呼吸がしづらい。
田中『失礼します。』
担任『はい。そこの椅子座って。』
『田中は行きたい高校とか勉強したい事はあるか?』
田中『行きたい高校ですか?僕行ける高校ありますか?勉強したい事もあまり無くて、ただ高校は卒業しておきたいです。』
担任『あははは、現実的だな、今のままだと、3校ぐらいしか選べない。田中は部活頑張ってるからバレーボール続けたいならそこの3校には、バレーボール無いからな。』
『田中は内申点が低いな、提出物とかしっかり出せよ。全教科オール3取れれば、もう少し行ける高校増えるぞ。』
担任はそう言った。内申点今まで赤点にならないよう頑張って来るのが精一杯だったのでそこまで考えて来なかった。
田中『分かりました。頑張ってみます。』
担任『また次のテストの後、進路指導あるからそれまでに頑張ってみろよ。部活も勉強もな。先生田中のこと応援してるからな。』
進路指導が終わり教室に戻る。高美さんがいる。
本当はどこの高校に行きたいのか。聞きたかった。
でもそんな事聞くのはプライベートな事を聞いているようで言い出せなかった。
田中『おつかれ、また明日。』
高美『また明日。バイバイ。』
そう言って2人は軽く手を振った。
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