第二章 中学3年生編 15話 クラス替えは無い
3年になり色々な事が変わると思っていたが、
クラスメイトも担任も変わらない。
ただ今年は受験があり勉強嫌いの田中は相変わらず勉強をしていなかった。
さらに部活動では最後の大会が控えていた。
田中は、部活に力を入れていたので3年からは朝練でサーブ練習を始めていた。
委員会活動に関して言えば高美さんと給食委員会を一緒にやっている。何となく一緒にやる流れになったのと、給食委員会が予想以上に楽だったからだ。
それに田中は、高美さんと2人きりの時間を作れて嬉しかった。
担任『よぉ〜し今年度もよろしくな。3年生は進路も決めなきゃ行けないし、中学最後の部活も頑張らないと行けないから気合い入れて頑張れよ!!
先生は応援してるからな!!』
おそらく先生が1番気合が入っているのは、みんなが感じた事だろう。
3年になり席の順番が出席番号順に戻ったので、
田中の前には高美さんがいた。
担任『早速だが進路指導のために予定を組んであるので、今からわけるプリントを見て自分の名前がある日は、先生のところに面談しにくる様にお願いします。昼休みに話す人、放課後に話す人、時間書いてあるから間違えない様に!!』
前の席からプリントが回されてくる。高美さんが振り向く、笑顔、可愛い、今まで横からしかほとんど見た事がなかった。高美さんの後ろ姿は髪の毛ツヤツヤだった。
高美『はい。プリント。田中君…同じ日の放課後だね!!』
田中『ありがとう。同じ日?何が?』
高美『進路生徒指導の日だよ笑』
田中『あぁー、そうだね忘れない様にしなきゃ笑』
高美さんの後ろ姿に集中してしまっていた田中は、先生の話をあまり聞いていなかった。すぐに予定を確認した。それと同時に自分が将来何をしたいのか今の成績で行ける高校があるのか不安になった。高美さんはどこに行くんだろう。自分には高校を選べなそうだな、そう思い鼻で自分を笑った。
平野『田中さーん何をそんなに悩んでるの?部活頑張んないと、』
田中『いや、その言葉そのまま返すよ。野球部どうなんだよ。坊主にしたく無いって言ったらしいじゃん笑』
急に新キャラだなおいっ平野っ
平野は野球部で部長をしている。2枚目顔のイケメンである。高美さんや大沢と同じ小学校から上がってきているので、高美さんとも仲がいい。
また部活の集まりや、新入生の勧誘などで急に仲良くなり始めている。いつも右斜め後ろからちょっかいをかけてくる。
平野『だって嫌だもん坊主、プロで坊主の人いないじゃん、何のための坊主だよ。坊主で優勝出来るなら坊主になっても良いけどさぁー』
田中『まぁーそれで勝てる保証はどこにも無いけどな笑。メリットが分からないな確かに…』
平野『でしょー、だから嫌だって言ってるの。それにカッコいい髪型の方がテンション上がる』
担任『おいそこ、うるさいぞ、平野、田中、成績良くしてから話せ!!』
そう言ってクラスの奴らがクスクス笑う
平野『すいません』
田中『すいません』
これから先もこんな日常がずっと続いてほしいと田中は思った。そしてこの時の田中には、卒業や高校への進学をその先の未来をしっかりとイメージ出来ていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます