第11話 期末が最悪
テスト勉強を高美さんと一緒にやると言う青春を送りたかった。田中はそう思いながら、テスト勉強を全然しなかった。
数学6点
英語18点
社会21点
国語25点
理科25点
5教科の合計が100点に満たない。
田中は、昔から勉強に対して全くと言って良いほど努力をして来なかった。好きなものや興味がある事は、頑張れるのだがそれも飽き性と言う性格のせいか、長く続かず昔から続けている習い事は、無かった。また忘れっぽく提出物もよく忘れる。
先生に田中はやれば出来る子だと思うんだよなぁーと何度も言われて来たがそれは先生が僕を勉強は出来ないが嫌いな生徒では無いと言うだけだ。
反抗期は親にだけで、学校では驚くほど普通。
勉強が出来ない無害な生徒として生きている。
担任『はい!!今回のテストで赤点取りそうな奴は、前の席に移動してもらう。
良いなぁー。』
担任が発表した名前の中に田中の名前があった。他にも6名ほど呼ばれていたが、何と恥ずかしい、名指ししなくてもよく無いかと思ったが全て自分の怠けのせいなので心の中で
ため息をついた。
担任『田中は、高美の隣だな。』
田中『あっはい』
大沢『田中君バイバーイケラケラ』
担任『この授業終わったら席移動しておくように』
悲しいのか嬉しいのか、高美さんに馬鹿が隣に来ると思われるのでは無いかと、思い担任の数学の授業が全く耳に入らなかった。
いつもは長く感じる授業が終わり席を移す。
大沢『みーの横ならまたいつも通りだよねー私が10分遊び行くだけだからさ。』
田中『あぁーそうだねまた頼むわ。』
高美さんの横に席を構える。何か自分に不備が無いかトイレに行く、いつも通り寝癖が、ついている。トイレをしながら斜め上を向く、これからどうしよう。何も思考がまとまらないまま高美さんの隣の席に戻る。
高美さん『田中君…横の席になったね。嬉しい。』
こちらのセリフだが?と内心思いつつも
先程大沢に言われた言葉が脳内にあったのか、何の考えもなく、3人でいつも通り話せて嬉しいねと解釈した。
田中『大沢がこっちに来るだけで、いつも通りの
会話ができるのは、嬉しいことだよね。』
高美さん『うっうんそうだよね。田中君は、すごい話しやすいよ。』
そう言って話してる高美さんがいつもより目を見て話している気がしてうまく目を見れなかった。
それは、普段のふざけた感じでは無くて、真面目に言っている雰囲気があった。
田中『僕からしても、数少ない話せる女の子だから……ねっ』
高美さん『そうなの?他にも話せる人いっぱい居るでしょ!!』
そう言いながら笑った高美さんの笑顔が可愛かった。なぜかいつもより嬉しそうに見えた。
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