第9話 給食委員のお仕事。

 給食委員は、毎日給食室に立ち片付けを手伝う。

 あとは教室まで給食を運ぶ生徒が休んだ時はその人の代わりに運ぶと言う仕事だった。

 なので基本的に週替わりで高美さんと交代しながら、給食室に立っていた。

 そのため思っていたより話す機会が無かった。



 ある日のことだった。クラスで休みが2人出たので、

 高美さんと一緒に運ぶ事になった。

 2人きりで話す機会があまりに無かったため田中は緊張した。

 しかしこの時の田中は、凄く素直な言葉がでた。


 田中『2人で話す時中々ないからちょっと緊張する。』


 高美『いつもはゆいが居るからね。そう言われると私も緊張するな。』


 その言葉のあと高美さんは少しうつむき気味に歩き始めた。


 田中『じゃー好きな色は?』


 何か話そうと思った末に出た質問だった。

 小学生以下の質問をした。


 高美『えー紫とかピンクとかーかな?』

『田中君は何色好きなの?』


 田中『黒、黄色かなー黒はカッコいいし、黄色は明るいからでも、何となく鬼のパンツ感あるよねこの色笑』


 田中は黒とかカッコつけすぎだろ、黄色お前には似合わんて、と思われていないかなど考えた末

 あまりカッコいいとか明るいと言う表現からは離れた鬼のパンツで好きな色を誤魔化した。


 高美『鬼のパンツってクスクス。』

『普通に良い色だよね黒と黄色って。』


 そして次に田中は、高美さんの紫とピンクは、

 やけにエロい色合いに感じたので、ストレートに

 言いたかったのだが、流石に偏見これは男だけの思考だと思いこう切り返す。


 田中『ピンクと紫って桃とブドウみたいで美味しそうだよね。』

『あっ給食、食べたばっかりなのにお腹空いて来た。』と言って笑った。


 高美『クスクス。』

『田中君って体細いからそんなに食べるキャラに見えないよね。実際はよく食べるの?』


 田中『あーうーんそんなに笑』


 高美『見た目通りじゃん笑』


 田中『そうなんだよね。給食委員選んだのいっぱい食べれるからじゃ無くて』


 途中で田中は止まってしまった。

 今から言おうとしている言葉が、高美さんに対しての好意を示してしまうからだ。

 そして初日の佐藤を思い出した。


 田中『友達の佐藤がね。寂しがりやだからさ、しょーがなく入ったんだよ。』


 高美『えっ何?2人ともそう言う関係?』


 田中『いやいやそんな事ないよ。汗』

『僕女の子好きだよ。何か今のタラシっぽい発言だけど笑』


 田中は自分の言いたい事を飲み込みすぎた。

 嘘をつきすぎた。


 高美『そう、?田中君タラシには見えないよ。何考えてるか分からない時あるけど、話してたら少し知れて良かった。』


 こうして給食室に着いた。



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