第5話委員会を決める2
一緒に委員会をやるチャンスだと考える田中、
しかし彼の自己肯定感の低さがこれを邪魔する。
もしここで高美さんを追うように僕も給食委員をやると言ったらキモいとか、えっ何でお前が、みたいな展開になるのではないか。
はたまた他の男子生徒に絶対あいつ高美さん好きだろと噂されるのではないか。
とにかく今高美さんのいる給食委員に入る理由が無かった。
田中の今のメンタルで思い切って挙手することが出来ずに居たその時だった。
廊下から佐藤の声が聞こえてきた。
佐藤『おーい田中』
『俺給食委員になったぞ、てかまだ委員会決まってないのかよ。給食委員やれよ。余ったデザート食べ放題だぞ。』
田中『うるさいな佐藤…初日に席替えあったんだよこのクラス』
西岡『田中給食委員会入るの?了解。』
田中は声を出さず、ただ頷いた。
廊下から放った佐藤の助け船、その流れで田中は、何となく給食委員に入れた。
佐藤の中に助けるという気持ちはないだろう。
その裏表の無い、言葉に田中は救われた。
田中はもう一つ思った。こんな細い身体なのにデザートメッチャ喰う食い意地キャラは嫌だなと。
大沢『はい…今回の委員会は、決まりました。
みなさん協力ありがとうございました。』
担任『委員会決めおつかれー今日のやる事は終わったので、気をつけて帰って下さい、さようなら!!』
ガタガタと椅子をしまう音が教室中に響き渡って、
生徒たちがそれぞれの放課後に向かう。
神様は佐藤であった笑笑
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