第4話 間一髪

紗英さんの家の前に行くと、例のイケメン彼氏が家の前で待っていた。


「美咲、あれ彼氏さんだよね?今日は綾乃さんとデートなのかな?」


『かもね。でもちょうど良かったわ。彼氏さんにストーカーの話を伝えないと。』


私が男性に声をかけようと詰め寄った瞬間、後ろから思い切りカバンを投げつけられた。


『痛っー!何すんのよ!』


私が振り返ると、そこには息を切らせた影薄丸がいた。


「板垣くん⁉︎わざわざ追いかけてきたの?」


「…ほ…ほんと…考えるより先に…突っ走るんだから…。」


影薄丸は息も絶え絶えに答える。

私はいいところを邪魔された思いでいっぱいだ。


『何しにきたの⁉︎アンタの出番なんか…。』


「い…いいから…2人とも…ちょっとこっちへきて…と言うか…公園で話そう…。」


普段クールな影薄丸がここまで必死になっているところを見た事がない。

そんなに綾乃さんが好きだったのか???


ただ、とにかく影薄丸のあまりの迫力に、私たちは場所を変えて話す事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る