第2話 違和感

翌日、私は紗英と休み時間中、ずっと綾乃さんの話をしていた。


「ねぇ美咲、昨日の綾乃さん…何か変だったよね?」


『やっぱり紗英も思った?綾乃さんが私たちに挨拶してくれないなんて…私結構ショックだったよ。』


「綾乃さん…何か悩みがあるのかな?」


私たちからしたら、およそ検討のつかない事だった。国立大を卒業し、安定した職に就き、イケメンの彼氏までいる…一体何に悩む事があるのだろう?


『ねぇ紗英、私たちでちょっと調べてみない?』


「調べるって…何をどうやって?」


紗英は、私がまた突拍子もない行動をするんじゃないかと、不安そうにしている。

思えばこれまでにも、私の身勝手で紗英にはずいぶん迷惑をかけてきた。


『なぁに、大した事じゃないよ。いつもの帰り道、綾乃さんが帰る時間帯に合わせて帰ろうってくらい。綾乃さんに迷惑はかけないよ。』


「まあそれくらいなら…。」


紗英も了承してくれたところで、私たちは下校時間をしばらく綾乃さんの帰宅時間に合わせて帰るようにした。

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