第9話 【ブラジルの河童】カベッサ・ジ・クイア(O Cabeça de Cuia)
カベッサ・ジ・クイアは「ひょうたん頭」という意味がある。この妖怪は、ブラジルの北東部にあるマラニョン州やピアウイ (Piauí) 州に伝わり、パルナイバ (Parnaíba) 川やポチ (Poti) 川の水底に
「ひょうたん頭」という名前だが、頭の形がひょうたんなのではない。この妖怪の頭は、普通の人間と同じか、エジプトやマヤの壁画にあるようなコーンヘッドと呼ばれる長い形をしているといわれている。その頭には髪が長く垂れ、体は
なぜ、この妖怪が「ひょうたん頭」と呼ばれるかというと、出現場所である川の上流にはひょうたんが多く生息し、それが
このカベッサ・ジ・クイアは、実はもともと人間で、かつてはポチヴェーリョ (Poti Velho) という小さな村で漁師をしていたという。名をクリスピンといい、母と暮らしていた。そんなあるとき、母に呪いにかけられて妖怪になった。そのいきさつとして、次のような伝説が残されている。
クリスピンは貧しい漁師だった。ある時期、不漁が続いた。
その日以来、川に
カベッサ・ジ・クイアが呪いを解くには、7年以内にマリアという名前の処女を7人食べなければならないとされていた。しかしその課題をクリアすることができなかったようで、この妖怪は今でも川の底に生き続けているという。
カベッサ・ジ・クイアは、ピアウイ州では有名な妖怪である。州都テレジナ (Teresina) の街では、4月の最終金曜日を「カベッサ・ジ・クイアの日」として祝う法律が2003年に制定された。また、ポチヴェーリョ村には、このカベッサ・ジ・クイアの石像が建てられ、土地の人によって伝説が語り継がれている。
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