加齢臭
午後二時
「じゃ、今日は終わりだね。おつかれ」嫌だ!寛也といたい、離れるのは寂しいし悲しいもん。そんなわがまま言えるわけないか…
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
私は、スタッフルームへ行った。すると西島が待ってましたと言わんばかりに、着替え終わった私の腕を、強引に引っ張った。私は、この時にもっと抵抗して、逃げればよかったと後になって後悔する。
「霧ちゃん、送っていくならちょっと出るね」西島!やりやがったな。送っていく?
外を見ると酷い豪雨だった。一歩外に出ればびしょ濡れ確定の雨。『ドラマ見たいな雨』そんな言葉を言う人もいる中で、私はどうするべきだったのか…寛也…
「やめてください、なんなんですか?離してください。」尋也…誰か…助けてください…
私は、雨の中西島に引っ張られながら抵抗していた。こんな酷い雨のかな通りすがりの人も、自分のことで手一杯なのがわかる。
「霧ちゃん!き〜り〜ちゃん!」
変なリズムに乗って、西島は私の腕をグイグイ引っ張って行く。西島の車について私は無理やり車に乗せられた。
「霧ちゃん、びしょ濡れでブラウス透けてるね。いけない子だまた、下着着ないで。本当に悪い子だ、おじちゃんがちゃんとお仕置きしないとね。」本当にやだ、そして気持ち悪い。何が『お仕置しないとね』だよお前の性格お仕置しろよ。頭湧いてるのかよ?こいつ、服の上から舐めようとしてる、本当にキモイし臭い。男臭と言うより加齢臭、おっさん臭い。最悪。
「やめてください、一人で帰れますし。本当大丈夫ですから。」逃げたい、逃げたい。今すぐここから消えたい。なんなのこの人は、いつまで続くの?
西島はいつまでも抵抗する私にムカついたのか、私のブラウスを破くように、胸元を開いた。
「うるせぇなぁ!優しく誘ってやってるのに、顔がいいから調子に乗りやがって。」
西島はポケットから手錠らしき物を出して、私の手首につけた。私は、身動きが取れなくなって、どうすることも出来なくなった、それをいいことに、西島は車を走らせた。私は、抵抗する気も失せて、寛也に対する裏切りを感じ、考えるのもやめ絶望を感じていた。
尋也…尋也…尋也に会いたいよ。でも、こんな姿は見せれない、どうしたらいいの?分からないよ。あぁ、ダメだ、こんなウジウジしてちゃ、どうにかしてここから出なきゃ。考えろ、考えろ。どうしたらいい…考えるんだ玲!
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