心配
新居 タワマン
「ただいま!玲?!玲?!いるの?いるなら返事して。ごめんね、俺何かしたなら謝る。自分自身じゃ分からない。ごめん」
寝室
大きなベッドに小さく毛布でうずくまっていた霧嶋さん。意識は遠く、散々泣いたであろう、目の充血と涙のあと。
「玲?大丈夫?」
俺は、彼女に触れず、そっと隣に座った。遠くを見るその目は、すぐにまた潤んだ…
「尋也…ごめんね…私、尋也としかヤラないって言ったのに、店長としちゃった…本当にごめんなさい。」
震えた声で俺に土下座をしてきた。
店長…きっとあの後だ、西島が玲を連れて行った後にしたんだ。
「同士の元なの?」
「それは違う!抵抗したけど、勝てなくて。」
「分かった、ちゃんと聞くから。事の経緯を教えて、それから俺も話したいことがある。」
事の始まり (霧嶋玲)
午前九時 コンビニ
尋也とバイト先が一緒になって本当に良かった、大好きな人とこんなに近くでいられるんだもん。幸せいがに何があるんだろう。
「おはようございます」山本さんだ。
「おはよう隅田くんと…霧嶋さん…」きっと山本さんは私の事嫌いだろうな、薄々と言うよりもろ顔に出てるもん、それなのに尋也にたかる。尋也に触らないで!もっと、独占したいのに。でも、そんなことしたら嫌われちゃう、それだけは避けなければ。
スタッフルーム
「おはよう隅田くん、霧ちゃん」
「おはようございます」うん、シンプルに気持ち悪い。何、霧ちゃんて?大の大人が恥ずかしくないのか?寛也がってくれたら大いに嬉しいのに…なんでだろう、愛想笑いも出来ないよ。それより、準備、準備!尋也が行っちゃう。
いい訳では無いが、入って二日目もあり全然なれない。頑張って追いつこうとするが、慣れない事をすると空回りしてしまう。
あぁ、尋也…待って、さすがに追いつけないか。尋也…尋也が視界にしなくなると、また会えなくなるんじゃないかって不安になるよ。片時も離さず一緒にいられたらどんなに嬉しいか…
「霧ちゃん…また、二人きりだね。おじちゃんもう我慢できないよ…」やばい、忘れてた。尋也で頭いっぱいだから、存在忘れてた。
「霧ちゃん…また、面接の夜見たいにエッチなことしよ?ほら、もうこんなに大きくなっちゃった…ハメハメする?するともまた、お口でしてくれるのかな?」やばい、やばい。普通のJKにやったら、通報レベルだから!
西島は私の腕を掴んだ、抵抗するも男性の力に叶うはずもなく、ただもがくことしか出来なかった。私は必死の抵抗で、近くにあったダンボールを倒した。
(ガッシャーン、ドタドタ)
こんな大きな物音を立ててもなお、腕を掴み私を誘う西島。
「やめてください。もう、無理です。」
「なんでよ、あの1回で終わりかよ。どう?たまってないの?確認だけ、させてよ」何確認て。
西島は、ズボンの中に手を入れて来ようとした時、物音に築き尋也はすぐに来た。
尋也…助けに来てくれた、寛也が私の光だよ。
「なんだよ隅田くんか、こっちは大丈夫だから、表行ってて。」
「あの、混んできて手が回らなくなりそうなので、霧嶋さん表に出してもらってもいいですか?それと、セクハラで訴えられちゃいますよ?防犯カメラありますし。」そうだ、そうだ!尋也は優しい、どんな時も的確に判断して言ってくれる。尋也の優しさが滲み出てる、好きだよ尋也。
西島は、舌打ちをして私を突き飛ばした。私が転びそうなところを、尋也はキャッチした。尋也は小声で(大丈夫?表行ってて俺が片ずけるから)そう言って私を庇ってくれた。
あぁ、好き。尋也の好きが溢れでちゃうよ。まだ、引越し仕立てだから、尋也の柔軟剤の香りがする…本当いい匂い。しかも、私を庇って安全な所に、避難させようとするところ、優しさの塊でしかない。好き…好き。
私は、尋也の助けもありお店の方に出た。表に出たところ、分かってはいたが山本さんが私に文句を言ってきた。
「あら、おはよう…霧嶋さん。何、さっきの物音は?新人だから大目に見てるけど、あんまり酷いようじゃ、辞めてもらうしか無いからね。男に媚び売る前に、色々見直さないといけないんじゃない?」良くもまぁ、長々と嫌味を言えるもんだよ。私は絶対やめない、辞める時は尋也が辞める時です。それに『男に媚び売る』って自分のことじゃん、尋也にばっかり甘えて、擦り寄って。専業主婦って聞いたけど、嘘ね。指輪の跡もついてないし、香水も付けてる。主婦が付けないって言うのはないけれど、匂いはあからさますぎる。決めては、前に拝見した履歴書ね。配偶者に丸がなかった、履歴書に嘘を書いたっていいことないわ。
「すみません…」争ったって時間の無駄、寛也に手を出したら消すから。尋也早く帰ってこないかな。部屋かなり散らかっしちゃったからもう少し時間かかっちゃうか、西島に変なこと言われてないと良いけど…山本さんまた何か言われる前に、掃除しよ。
数分後
あっ、尋也帰ってきた。あぁ、愛おしいよ。さっきの事ちゃんと言わないと。でも、直接は言えないよね…さっきから山本さんずっと見てるし、完全に目つけられてるよね、知ってたけど。掃除しながら近ずけば問題ないよね。
私は掃除をしてる振りをしながら尋也に近ずいた。
「ありがとう」もっと言いたかったけど、今は一言言うだけで精一杯だ…尋也ごんめね。
尋也は、新人の私にちゃんとマニュアルを、教えてくれた。山本さんは一度もいい顔はしなかったが、尋也には愛想を振りまいていた。
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