ごめんね

慌てて目が覚めると、俺はベッドで横になっていた。

「どこだここ、ビジネスホテル?シャワールームに人がいる。今何時だ?」

 時計は九時を指していた。

「やば、もう帰らないと。」

 荷物をまとめて出ようとした時、シャワールームから、人が出てきた。

「あら、起きたの隅田くん。」

「山本さん、すみません。俺帰ります。」

 山本さんは俺が帰ると言った瞬間、俺につかみかかった。

「何言ってるの?これからじゃない?」

「あの、何言ってるからわからないです。それに九時前には解散って」

 山本さんは俺をベッドに押し倒した。

「隅田くん、一人暮らしでしょ。帰っても寂しいだよ。だから私と楽しいことしましょ」

「何言ってるんですか?山本さん旦那さんいるじゃないですか?それに、俺はそいうことしたくて今日来たわけじゃないです。」

「嘘よ。旦那がいるのも専業主婦も。私は若い男の子が好きなのよ。ねぇ、溜まってるんでしょ、私が抜いてあげるから。大丈夫、優しくするから…」シンプルに気持ち悪い、なんでだろ…霧嶋さんと同じ同性なのに、ここまで気持ち悪くなれるとは。それになんだよ、『旦那がいるのも、専業主婦なのも嘘』って山本さんは最初からこれを狙っていた?車で来ていたのもそのためなのか?分からない、こ言うのは聞くのが早い。

「山本さん」

「和泉って言ってよ…ひ・ろ・やくん!」

 俺は完全に冷めた、そして萎えた。こいつを人と認識したくないと脳が思った。

「おい、お前。これは最初から考えてやったのか?」

「いゃん、Sな寛也くんもいいね」

「話聞けよ、俺に何をした。」

「えー、何って。烏龍茶をウーロンハイにしただけだよ?それから、夜の営みはこ・れ・か・らでしょ?」

「あっそ、じゃ俺帰る」

「なんでよ!私がこんなに誘っているのに、なんでのらないの?意味わかんない。若いだけが取り柄なんだから、大人の言うこと聞きなさいよ!どうせ、あんたも霧嶋がいいと思ってるんでしょ?あんな色気もないガキが!」

「分からなくて結構です。それと、それ以上霧嶋さんを悪くゆうなら。心底軽蔑します。そもそも、あなたを人として見たくもないです。」

「帰れば?きっと後悔するわよ!」

「大丈夫です。きっと…いや絶対しませんから、後悔」

 俺は部屋から出た。部屋からは子供が泣いているかと思うような、大泣きと大きな物音が聞こえた。俺は、スマホを見ると霧嶋さんから一通のメッセージがあった。(ごめんね)と一言だけ入ったメッセージが、ことの重さを感じさせる。俺は急いで家に帰った。

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