第12話
Chap.12
次の休み時間、春花は友人たちに「ちょっと先に行ってるね」と言って、絵の具バッグを肩にかけ、急いでがらんとした昇降口に行き靴を履き替えた。他の生徒たちと違う行動をとっていることがものすごく目立つような気がして、どきどきする。大丈夫、みんな自分のことで忙しいんだし、私のことなんか気にしないはず。そう自分に言い聞かせながら、コソコソしているように見えないように姿勢良くさっさと歩いて体育館裏へ向かった。
風通しを良くするためだろうけれど、体育館のドアは校舎に面した二箇所も体育館裏に面した二箇所も全開になっている。ドアから見えない位置を探してうろうろしていると、俊がやってきた。
「水彩?何描いてんの」
春花が肩からかけている絵の具バッグに目を留めて言う。小学生の頃から使っているバッグで、俊や春樹のと色違いだ。ダークグレイにローズピンクのライン。
「木。どんな木でもいいから、っていうやつ」
現実にないような木でもいいというので、存分に空想の羽を伸ばして楽しんで描いている。
「ああーやったやった。どんな木描いてんの?」
絶対笑われるなと思いながら、春花は答えた。
「…お菓子のなる木」
案の定俊は笑ったけれど、おかしそうにではなく楽しそうに笑って、優しく目を細めた。
「さすがおじさんの娘。返ってきたら、おじさんに見せてあげるといいよ」
「うん」
なんだか嬉しいな、と春花は思った。こんなふうに授業のこと話すの、まるでハルの代わりに…。そこでびくっとして頭の中の言葉を止める。
「じゃ、『電話』かけるね」
急いでポケットからハンカチにくるまったガラス玉を取り出す。
「ちょっと待って」
俊がさっと辺りを見回してから、春花の両肩に手を添えて自分と立ち位置を替えた。
「これでよし」
これでもし誰かが体育館の裏のドアから覗いても、俊の背中に遮られて春花が何をしているかは見えない。
「リオ?」
春花は急いでガラス玉に向かって話しかけた。俊はすぐに手を離したけれど、両肩にその手の感触がまだ残っているような温かい感じがする。
「やあ春花」
リオのきびきびした声。なんだかその声だけで空間が凛と輝きを帯びるようだ。声にもカリスマ性っていうのがあるのかな。
「今話して大丈夫?」
「もちろん。俊も一緒?」
「うん。今学校の休み時間」
俊が答える。リオがああと納得の声を上げる。
「なるほど、それで小声なんだね」
「あのね、今日だけど、また午後と夜と両方行っていい?」
「もちろんだよ。何時にする?」
「四時二十分はどう?」
「いいよ。二人一緒に?」
「うん」
「じゃ、春樹の部屋に四時二十分に行くよ」
「うん、ありがとう」
「どういたしまして。それじゃ…」
「あ、ちょっと待って」
俊が慌ててガラス玉に顔を近づけた。
「あのさ、『もう一つのお隣』に行ってみたいんだけど、いつだったら行かれるかな」
「いつでも行かれるよ。でも…あの世界との時差のことはエルザから聞いてる?」
「いや」
「あの世界と日本の時差はゼロなんだ。だからもし行くならたとえば週末の日中なんかがおすすめかな」
「そうなんだ…」
二人は顔を見合わせた。
「じゃ、それはルカと相談してから決めるよ。とりあえず、今日はまず四時二十分ってことで」
「了解。それじゃまた後で。二人ともしっかり勉強するように」
「はあい」
「Roger」
通話が終わって、二人はにこりと顔を見合わせた。なんだか辺りに隣の世界の明るい軽やかな風がふわりと流れたような気がした。
「楽しみ。朝だから、帰る前にユマに会えるかも」
「そうだな。『もう一つのお隣』、どうする?」
「んー…」
春花は思案した。
週末の日中。午前中だとユマと会えるからできるだけ『お隣』にいたい。
「土曜日の午後とか?」
「いいね。で、午前中は『隣』でユマと遊ぶんだろ」
以心伝心だ。
「となると、一日中こっちにいない言い訳をちゃんと考えないとな…」
その時、ぱたぱたと足音が聞こえたかと思うと、体育館の角を廻って一人の女子生徒が小走りで姿を現した。二人に気がつくと、「あ」と小さく言って、ききーっと音を立てんばかりに急停止し、中途半端な会釈をしてくるりと身を翻して走り去っていった。
もしかして『束の間の逢瀬』しようとしてたのかな。邪魔しちゃったかな。
「うちの学年じゃないな」
そう言って俊が春花を見る。
「うちの学年…かなあ。よくわからない」
苦笑した俊の顔を見て、朝訊こうと思ったことを思い出した。
「ねえ、ハル、何て言ってた?私がちゃんと周りを見てないこと」
「んー…」
俊は少しためらった後、薄水色の春の空を見上げて口を開いた。
「ハルは、それはルカの…個性だから、それでいいんだって言った。そのうち成長して、自分でちゃんと気づくようになるだろうから、今はまだ色々うるさく注意したくない、って」
「俊ちゃんは、注意したほうがいいって思ったんでしょ」
「まあな」
「…言ってくれればよかったのに」
俊は遠い目をして言った。
「ハルが嫌がるから」
春花は目を丸くした。
「そうなの?」
「ルカはハルの妹であって、俺のじゃないし」
「ハルがそう言ったの?」
しまった、という顔をしたけれど正直爺さんは頷いた。
「…うん」
「喧嘩したの?」
「…まあ、口論程度」
「…そう…」
ハルが俊ちゃんにそんなこと言ってたなんて。私のことで俊ちゃんと口論してたなんて。なんだかちょっとショックだ。
「他には?」
俊が春花を遮るようにきっぱりと首を振った。
「やめよう、こういうの」
「え?」
「ハルは…今ここにいないから。こういうこと話すのはフェアじゃないと思う。なんかハルの陰口言ってるみたいで嫌だからやめよう」
胸の奥がきゅっと痛んだ。
「うん、そうだね」
頷いてから、にこりと俊を見上げた。
「でもね、これからは、直したほうがいいこととか、ちゃんと私に言って」
俊はちょっと驚いたように眉を上げたけれど、すぐにニヤリとして言った。
「おーし。後悔すんなよ。ビシバシ言ってやる」
つんと肩をそびやかしてみせる。
「でも直すかどうかは私が決めるんだからね」
「もちろんでございます、アマルカ姫」
放課後、清掃のために机を教室の後方に下げたばかりの喧騒の中で、廊下から顔を覗かせた俊にまず気がついたのは春花の前の席の友人だった。
「春花、沢崎先輩来てるよ」
「あ、ほんとだ」
俊に手を振ってみせて、急いでスクールバッグを肩にかける。
「どうしちゃったの。なんか急接近だねえ」
友人が冷やかすように言う。春花は苦笑した。
「そういうんじゃないよ。じゃあね」
廊下に向かいながら、ふと思いついて、それとなく教室内の様子を伺ってみると、興味深そうな視線が結構たくさん感じられた。そういえば昨日俊ちゃんも男子になんか言われてたっけ。
「お待たせ」
「お」
一緒に歩き出しながら、廊下ですれ違う生徒たちの様子も伺ってみる。明らかに、見られている。注目されている。
周りをちゃんと見るって、こういうことにいちいち気を配って、いちいち気にしなきゃいけないってことなのかな…。
自分であまり気がついたりはしなかったけれど、友人たちや他の生徒たち——たとえば昨年告白してきた男子とか——が直接言ってくることというのはもちろん認識するわけで、だから自分がどんなことを言われているかは知っていた。
ブラコン。お兄さんとベタベタ。いいよねえあんなかっこいいお兄さんで。羨ましい。お兄さんにくっつきすぎ。ちょっと調子に乗りすぎ。見せびらかしてる。
でも春樹がいたからそんなことは気にならなかったし、気にしなくていいのだと思っていた。春樹がいて、俊がいて、あとは部活でよく接する部員や先輩、クラスでなんとなく仲の良い友人たちが数人、その他はいてもいなくても気にならないし、ことさらに人の名前を覚えようとも思わなかった。それでいいと思ってたのにな…。
「どした?」
訊かれて俊を見上げる。
「うん…。あのね、」
視線が気になって話しづらい。
「ちょっと待って」
「?おう」
教室の並びを過ぎて人が少なくなったところで口を開く。
「みんなに結構見られてるって思わない?」
俊がいたずらっぽい笑みを浮かべて眉を上げてみせる。
「思いますよ」
「周りをちゃんと見るって、こういうことを気にしなきゃいけないってこと?」
「ルカはどう思う?」
「わかんないから訊いてるの」
「ぶぶー。wrong answer」
茶化されて眉をしかめる。
「…気にしなきゃいけないとは思わない」
「俺も気にしたりしないよ」
「そうだよね」
ちょっとほっとする。
「見られてるとか、色々言われてるとか、もしそういうことに気づいても、気にする必要はないってことだよね」
俊がえっという顔で春花を見た。
「…なんか言われてるのか?」
「今じゃなくて、前ね。色々言われてたのは知ってる。自分で気づいたわけじゃないけど、友達とかが教えてくれたりしたから。でも気になんかしなかったけど」
「…何言われてた?」
「ブラコンとか、ハルとベタベタし過ぎてるとか、そういうこと」
俊が、ああ、と言って笑った。
「気になんなかったんだ」
「ぜーんぜん」
節をつけて言う。
「ハルに気にすんなって言われたの?」
「ううん。ただ気にならなかった。ハルがいたから…いるから」
言い直す。
「ハルがいるから他の人の言うことなんて気にしなかった。ハルがいるから大丈夫って…」
「あ、松宮さーん!」
階段を降りていた二人の頭上から大きな声が響いて、春花はどきりとした。下から階段を上ってきていた三年生女子が顔を上げた。勝ち気そうなキリッとした顔。
「河野先生が探してた」
「わ、ほんとに?」
急ぎ足になって彼女は二人の横を通り過ぎた。長いポニーテイル。
会釈をしながら春花は思った。
あの人に違いない。女子バレー部の松宮彩。
はっとした。
メラニーも長い髪。
雰囲気もなんだかちょっと似てるみたい…な気がする。
ハルの好みってこと?
やっぱりあの人ハルと付き合ってたの?
でも待って。あの人とハルが付き合ってたんだったら、俊ちゃんがあんなこと言うはずないよね。「ハルがメラニーを見たら一目惚れかも」なんて。
いろんな言葉でゴタゴタした頭が止める間も無く、口が勝手に動いていた。
「あの人、ハルと付き合ってたりしてないよね」
しまった、と唇を噛んだけれど後の祭りだ。
「俺の知る限りではそんなことないけど」
さらりと言って俊は春花を見た。
「なんで?」
「…噂で聞いたから」
不覚にも涙が浮かんで、春花は俊に気づかれないようにちょっと俯いてぎりりと奥歯を噛み締めた。引っ込め涙。引っ込め引っ込め引っ込め。
一拍の沈黙の後、斜め上から笑みを含んだ柔らかい声が降ってきた。
「ハルが誰かと付き合っててルカが知らないわけないと思うよ」
そしてさらに一拍置いて、
「…大丈夫だよ」
いうことを聞いてくれなかった涙がぽろんとこぼれた。
「…あれ」
家の門を開けて、春花は目を丸くした。お母さんの自転車がある。
お母さんは月水金と手芸教室で教えている。火曜日はボランティアに行って、木曜日はお料理教室に習いにいっている。帰ってくるのは六時頃のはずなのに。
「おばさん、いるんだ」
「そうみたい…。どうしたんだろう」
お母さんがいるのでは、『お隣』には行かれないだろう。
「どうしよう、リオに連絡…」
言いかけてスカートのポケットに手を入れようとしたら、玄関のドアが開いてお母さんが出てきた。
「おかえり!」
二人を見てニコニコして言う。
「ただいま」
「こんにちは」
「俊ちゃんの自転車があったから、一緒に帰ってくるだろうと思って待ってたのよ」
二人を玄関に招き入れながらお母さんが言った。
「今日、お料理教室休みなの?」
「ううん、休んだの。ブラウニー焼いたのよ。テーブルの上にあるから、俊ちゃん、食べてて。手を洗ってね。ルカちゃん、ちょっと来てくれる」
お母さんは俊を洗面所の方に押しやり、春花の先に立って階段を上っていく。一体なんだろうと思ってついていくと、お母さんは春樹の部屋のドアを開けて中に入っていった。
「あのね、」
机の前でお母さんが振り返った。
「お父さんとも話したんだけど、俊ちゃんに、形見分けにハルちゃんの腕時計をもらってもらおうかなって…。ルカちゃんはどう思う?」
形見分け、なんていう言葉にちょっと心がびくりとしたけれど、春花はすぐに頷いた。春樹が大事にしていたお気に入りの腕時計。
「うん、いいと思う」
言ってから、ちょっと疑問に思って訊いてみた。
「形見分けって、他の人にもあげなきゃいけないの?親戚の人とか」
「いけないってことはないけど…どうして?」
「だって…ハルが一番誰より仲良かったのは俊ちゃんだもの。雄也くんとか京くんとかとは比べものにならないくらい」
従兄弟たちの名前を挙げる。
お母さんが微笑んだ。
「そうね。…ほんとにそうね」
何度か小さく頷くと、
「さ、行きましょ。俊ちゃんを待たせちゃ悪いから」
と言って、机の上に置いてあった小さな箱を手に取った。
俊はテーブルのいつもの場所に座って、くつろいだ表情でおいしそうにブラウニーを食べていた。お母さんを見上げてにこりとする。
「すっごいおいしいです。こっちの胡桃が入ったやつが特に」
「ほんと!よかったわ。先週習ったばっかりなの。いっぱい焼いたから、お母さんとお父さんにもお土産に持って帰ってね。それから、これ」
ダークグレイの小さな箱をそっと俊のお皿の隣に置く。
「ハルちゃんの時計。もしよかったら、使ってあげて」
俊の心の奥がぎゅっとなったのがダイレクトに伝わってきたような気がして、春花は慌てて俊の顔から目を逸らせた。見ていてはいけないような気がして、洗面所に手を洗いに行く。水を止めた時、お母さんがこう言っているのが聞こえた。
「…他にもね、ハルちゃんのもので俊ちゃんが使えるものとか、欲しいものとか、なんでも自由にしてくれて構わないわ。ハルちゃんも嬉しいと思うから」
それはちょっと変だ、とふかふかした明るいクリーム色のタオルで手を拭きながら春花は少し腹立たしく思った。
春樹は自分のものを断り無しに人に使われるのが好きではなかったし、俊もそれをよく知っている。あんなふうに言われて俊がそれじゃお言葉に甘えてと春樹のものを使ったり持っていったりするわけがない。お母さんたら、何にもわかってない。
テーブルのところに戻ると、俊はちょっと潤んだ目で春花を見上げて唇の端を上げてみせた。そしてお母さんがお茶を淹れようと背を向けたタイミングで、壁にかかる時計を目で示す。四時十五分。
リオに連絡しなきゃ。
「あ、そうだ、俊ちゃん、ちょっと待ってて」
春花はお母さんにもよく聞こえるようにそう声を上げてから、座ろうと引いた椅子をそのままに、階段へ向かった。階段を駆け上がり、さっき春樹の部屋の前に置いたスクールバッグを掴み、自分の部屋に入る。急いでポケットからガラス玉を出してひそひそ声で呼びかけた。
「リオ?」
「春花。どうしたの?」
「あのね、今お母さんが家にいて…。いないはずだったんだけど」
「そうか、残念。全然来られそうにない?」
「んー…」
春花は躊躇した。
もしかしたらお母さん、これからすぐ夕飯の買い物に行ったりするかもしれないし…。でも、宙ぶらりんな状態で待っててもらうなんてリオに悪いし…。
するとリオが春花の思いを読んだように、
「じゃあ、来られそうってことになったら連絡して。いつでもすぐ迎えに行くから」
「ほんとに?いいの?」
「もちろん」
綺麗なウインクが見えるような口調でリオは請け合った。
「ありがとう」
「どういたしまして。それじゃ」
通話を終えて、ふっと嬉しい息をつく。リオの声を聞くと、どうしてこんなふうに感じるんだろう。まるで千万の味方がいるような気がして、気持ちが元気になる。きっとああいう人が王様だったり将軍だったりすると、その一言で兵士たちの士気が上がるんだろうな。
急いで部屋を出て階段を駆け降りる。
「どうしたの?」
お母さんに訊かれて、春花は苦笑して肩をすくめてみせた。
「俊ちゃんに訊こうと思ってメモした本があったんだけど、その紙学校に置いてきちゃったみたい」
春花が密かに期待していた通り、しばらくしてお母さんは
「さて、お買い物に行ってくるわ」
と言った。
「時間もあるし、モールまで行こうかな。ちょっと見てきたい材料もあるし…」
モールには大きなハンドクラフトショップと輸入食料品店がある。見てきたい材料というのが手芸のなのか料理のなのかはわからないけど、とにかく好都合だ。
「二人とも、一緒に行く?」
訊かれて二人ぶんぶんと首を振る。
「んーと、あのね、俊ちゃんに、えー、数学教えてもらうの。ね?」
「え、ああ、そうそう、うん、数学ね、そうそう」
演劇部員にしては二人ともあまりにひどい演技だったけれど、お母さんはにっこりした。
「ありがとうね、俊ちゃん」
「いえいえ」
「そうだ、よかったら久しぶりにうちでご飯食べていかない?おじちゃんも喜ぶと思うわ」
小さい時から俊はたまに入江家で夕食を共にしていた。中学二年生になって春樹が塾に行き出してからはその回数がぐっと減ったけれど、入江家にはちゃんと俊のと決まっているお茶碗もマグカップもお箸もある。
なんだか浮き浮きと嬉しそうに出かけたお母さんを見送ってから、二人は顔を見合わせてふふっと笑った。
「リオ、なんだって?」
「行かれそうだったらすぐ連絡して、って。行くでしょ?」
「もちろん。でさ、ビニール袋に靴入れて隠しといて…」
「それで、ちょっと二人で散歩に行ってきます、って置き手紙するの」
「それ!」
ツーカー。
バタバタと準備しながら春花は微笑んだ。
ねえハル、楽しいね。三人で冒険するの。昔みたい。
置き手紙を書いてからリオに連絡する。
「リオ?」
「春花。来られそう?」
「うん!今お母さん出かけたから」
「よかった。じゃ、すぐに行くよ。春樹の部屋でいいね?」
「うん」
「了解。それじゃ」
二人で階段を駆け上がる。ノックをしてから春樹の部屋のドアを開ける。
途端に俊のムードがすうっと変わったのがわかった。明るい黄色だった炎が悲しい青になったような感じ。
「俊ちゃん…」
春花が言いかけたのを遮るように、
「ちょっと待ってて」
階下に駆け降りていった俊は、手首をごそごそしながら戻ってきた。左の手首には銀色とミッドナイトブルーの春樹の腕時計がつけられていた。
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