第170話
「青様、遂に達成しましたね!!」
「そうですね、あんまり実感ありませんけれど」
朝起きると、理恵さんから電話が掛かってきていたので出てみると凄く興奮した様子で登録者数世界一位になったことを伝えられた。
あまりに興奮した様子だったので、落ち着かせるのにかなり時間がかかったくらいだ。
昨日…というか今日の真夜中の三時頃に達成したようで、僕が起きるだろう時間まで報告出来ないもどかしさがあり、やっとの事で報告出来たので興奮が爆発してしまったみたいだ。
ここ三日以内には達成するだろうなと思っていたけれど、思っていたよりも早かった。
理恵さんと同じように、僕も世界一位になったと伝えられて嬉しくなり、梨美、母さんに伝え、他の恋人たちにも伝えた。
Tritterではリスナーみんなからのお祝いコメントが沢山来ていたので、世界一の登録者数になりましたとtrieetするとすぐに沢山の良いねとお祝いコメントが付いた。
コラボした中でもあり、付き合っている莉々からや、ドラマで共演した美優や伊緒さんからのお祝いコメント、それから僕が配信者になる前までこの世界の日本の配信者業界を引っ張ってきた凄い人たちや、絡んだことのないけれど有名な方々がリプしてくれた。
冷めやらぬ興奮のままに、僕は事務所へと赴いて今、理恵さんと対面で座りながらお喋りをしているわけだ。
「さて、登録者数世界一位も達成しましたので、それ相応のお祝いをしなければいけませんね。事務所の総力を挙げてすべきことだと思うんですけれど…」
「そうですね。ですが、生ライブはつい先月してしまいましたからね。それにドラマにも出ていますし」
「うーん、どうしましょうか。青様のおかげで事務所もかなり潤っていますから、蒼様のためならば幾らでもお金や人員をかけることに躊躇いなどありませんけれど……」
何をしようかと二人で色々考えて、案を出していくが何も思いつくことが出来ない。
生ライブでみたリスナーみんなの笑顔は凄く良かったなぁー。
あのステージで僕は、自分は配信者としてどうあるべきなのかという問いに対しての自分なりの答えが出たような気がする。
あのステージから見えたみんなの笑顔。
きっとみんなの事を喜ばせたり楽しくさせたり人生を少しでもいいから豊かにしたいってそう思っているんだ。
だから僕が思う世界一の配信者というものは………
「理恵さん、今回は少し趣向を変えて見ませんか?ド派手に祝うのも良いと思いますけれど、今回は普通にケーキを買ってASMRを販売するだけではダメでしょうか?」
「青様がそれでいいというのなら、私はそれで構いませんけれど」
「それで何ですけれど、余ったその予算や今回のASMRで稼いだお金を恵まれない子供たちに寄付するというのは駄目でしょうか?」
「……なるほど。青様の更なるイメージアップにも繋がりますし……分かりました」
イメージアップとかは別に狙ってはいないんだけれどなぁー。まぁ、いいか。
僕が目指す世界一の配信者は、みんなに笑顔を届けられる配信者だ。
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