第163話
「梨美」
「う、うん」
梨美は恥ずかし気に、僕の方を見て告白を待つ。
前世の感覚を持っている僕としては血のつながった自分の妹を恋人にするっていうのは未だに抵抗感がある。
けれど、梨美に告白をしなければ僕はどうなるか分からない。梨美が暴走していつの間にか既成事実を作られているなんてことに成りかねないからね。
それに、梨美の事は性対象にはなってはいないけれど、家族愛的な意味では本当に大好きだし、この世界のどの男よりも梨美を幸せにできる自覚があるし、何より他の男に任せられない。
梨美の事をブラコンだ、なんて言えないな、僕も。
十分僕もシスコンだから。
「未だに、兄妹で付き合うっていうことには抵抗はあるんだけれど、梨美を他の男なんかに任せられない。絶対に幸せにするから僕とこの先ずっといてくれないかな?」
「勿論だよ、お兄ちゃん!!他の男なんて私にとってはお兄ちゃんに比べればゴミクズ同然だもん。お兄ちゃん以外ありえない!!大事にしてね。チュー」
僕がキスをする前に、タコのように唇を出してキスをしてくるので受け入れる。
「え、えへへ、お兄ちゃんとキスしちゃった。これから毎日しようねー」
「いや、って言ってもするでしょ?」
「うん。朝、昼、夜毎日三回絶対するもん。それで、お兄ちゃんの兄弟とエッチする忌避感?みたいなものを無くしてあげるから。覚悟しててね」
「お手柔らかに頼みます」
本当にそのうち梨美とエッチすることが普通になる日が来るんだろうなって思う。
梨美はやると言ったら絶対やる子だから。
梨美に告白し終わった後は、母さんかな。
「母さん」
「う、うん」
「母さんは僕と付き合いたい?」
「う、うん。蒼ちゃんが嫌じゃなければ母さんを蒼ちゃんの彼女にしてほしいなって」
正直、母さんも梨美と同じ理由で正直どうなのかなって思う部分も結構あるけれど、母さんからの好意だけを無下にすることはできない。
きっと前の祖師谷蒼くんなら、梨美も母さんの事も受け入れられないだろうけれど僕なら受け入れられる。
逆に僕は前世の母さんに恋愛感情を持たれてもきっと無理だろうなと思う。
僕は、祖師谷蒼であって祖師谷蒼じゃないからね。でも母さんは僕を受け入れてくれたから。
「母さん、僕と付き合ってください」
「い、いいの?こんなおばさんで」
「おばさんなんかじゃないよ。母さんはとっても綺麗だ」
「蒼ちゃん!!」
母さんから深い、深いディープキスをされる。母さんは人工授精で僕を生んだのでエッチはしたことは無いし男性とキスもしたことは無いみたいだけれど、物凄くキスがうまい。
これが、大人の魅力っていう奴なのかな?
深いキスをして、見つめ合っていたら梨美に止められて今度は梨美にキスをされそれを止めたエリーが今度は僕にキスをして……。
キスが無限連鎖していくのを、白金さんに告白しなければという鋼鉄の意志で止めて白金さんの事を呼ぶ。
「白金さん」
「そ、蒼様。わ、私も良いのでしょうか?」
白金さんはいつものクールな表情を崩して、今にも泣きだしてしまいそうな顔になっている。
「勿論だよ、白金さんはいつも僕の事を見守っていてくれて。たまに、スケベなところがあるけれど体調面とかあらゆる面で僕の事を心配してくれてて」
「そんなの当り前です。私は蒼様の護衛なのですから」
「白金さん……紗里。僕と付き合ってくれないかな?」
「も、勿論です。こんな不甲斐ない私で良ければ死ぬまで共に」
「うん。これからも僕の護衛をよろしく。これから先もずっと僕の護衛は紗里だけだから」
「そうさまぁー――――――――――!!」
僕に抱き着いてくる紗里の頭をよしよししてあげて、落ち着くとそっと顔を上げたので唇を重ねる。
数秒間の短いキスだったけれど紗里が気絶してしまうには十分だったのか僕の胸ですやすやと寝てしまった。
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Kanikuiです。
この小説もあと十数話で終わります。最後までノンストップで行くのでよろしくお願いします。(長くても今年中には終わると思います)
質問なのですが、どのキャラが一番好きですか?教えてくださると、クリスマスにあげる話がその子になる可能性が…あるかもしれません。
作者の私が一定のキャラに肩入れするのはどうかと思いますが、エリーを書くのが楽しすぎて熱が入っているところは自覚しています。
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