第157話
.........................んぁ?
眠い目を擦りながら、薄っすらと目を開けると知らない天井だった。
どこだろう、ここ?かなり大きい個室のようなところ。
そう思って顔を動かして、周りを見渡してみると母さん、梨美、白金さん、理恵さん、アリシア、エリー、由利、愛理、シュガーちゃん、風花ちゃん、莉々さん、柚乃ちゃん、未恋先生が僕の周りで寝ていた。
母さん、梨美は手を握りながらベッドの淵に頭を乗せてすやすやと。他のみんなも各々壁を背もたれにしたり、椅子に座っていたり、体育座りをしたりして寝ている。
自分の姿を見てみると、病院服を着ていて.........................あぁ、そういえば、ライブが終わってさぁ、告白しようって思っていたらフラフラとして倒れてしまったんだ。
みんなを起こさないようにそっと体を起こそうとしたら手を握っていた梨美に振動が少し伝わってしまったみたいで、可愛い呻き声をあげて頭をあげて薄っすらと目を開ける。
梨美は周囲を一回り見てから、僕のほうを見て数秒見つめ合ってから起きたことに脳が追いついたのか.........................
「お兄ちゃん!!」
目に涙を浮かべて僕のことを目一杯抱きしめてくる。
梨美がかなり大きな声を出したため、周りにいたみんなも何事だと起き始めて僕が目覚めたのだと理解すると、涙を零しながら梨美同様に抱きしめてきた。
「ちょ、み、みんな?」
「そじがやぁぐん、ほんとうによがったぁぁぁぁぁ」
「本当によかったぁ!!」
「祖師谷様、私があなたを思ってどれだけ心配したことか。今だけ……とは言わずこれから先もずっとこの腕の中で泣かせてください」
「あおぉ.........................!!」
「しんぱいだったんだからぁ!!」
みんながみんな思い思いに喋るから内容は全く理解できなかったけれど、とにかくみんなが僕のことをとても心配してくれていたのは伝わった。
僕が起きてから30分経ってようやくみんなの気も落ち着いてきたけれど、僕のそばを片時も離れたくはないのか比較的身長が小さい風花ちゃん、梨美、シュガーちゃん、莉々さん達は僕と隙間がないほどくっついたままで動こうとしない。
「失礼します」
とそこで入ってきたのはこの病院の先生で僕の主治医の方みたい。
どうやら理恵さんが呼んできてくれたみたいだ。物凄くありがたい。
僕が梨美やシュガーちゃんたちに抱きしめられているのには苦笑しながらも気持ちを分かってくれたのか何も言わなかった。
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