第143話

「みんなー、おはよー」

「おはよー、祖師谷君」

「おはようございます、祖師谷様」

「おはようございます」


 最近はドラマの撮影とかが被ってあんんまり学校に行けていなかったから久しぶりの登校だ。


 LIMEでみんなとはやり取りしていたとはいえ、やっぱり実際に会うと嬉しいという気持ちが出てくる。


 そういえば、今日はみんなから何かサプライズがあるとかないとか。


 梨美が今日は早起きして何かをしていて、聞いてみるけれど秘密と言われてしまったため何があるのかは分からない。


 お昼まで楽しみだな。




 四限目の授業を終わらせてから、お昼の時間となり風花ちゃん、梨美も混ざってさらににぎやかになったメンバーで食事を始めようとしたとき…


「祖師谷様、私たち全員祖師谷様にお弁当というものを作ってきたんですけれど食べてくださいませんか?」

「お弁当を?」


 どうやらいつものメンバーの子たちがどうやらお弁当を作ってきてくれたみたいで僕に食べて評価して順位をつけてもらいたいということだった。


 すべて食べるのは無理だからそれぞれ少しづつ食べていく。


「まずは、私からね。はい、これ」

「すごい美味しそう」


 由利のお弁当はこれぞお弁当っていう感じの王道のとても美味しそうなお弁当だった。


 卵焼きを一つお箸で摘まんで食べると、優しい甘さが口いっぱいに広がる。

 

「すごくおいしいよ」

「本当?それならよかった」

 

 次はアリシア。


「アリシアって、料理もできたんだね」

「祖師谷様のために頑張りました。どうぞ食べてください」


 唐揚げを一つ摘まんで口に含むと.........


「………う、うん。美味しいかな」

「…祖師谷様、本当のところを教えてくださると助かります」

「ごめんね。少し僕にはしょっぱすぎるかも」

「分かりました。次食べてもらうときには完璧なものを作り必ず美味しいと言わせて見せますから」


 どうやらお弁当はエリーの手助けなしで自分自身の力だけで作ったみたいだ。今度食べるときはきっと美味しくなっているだろうな。


 アリシア、とっても悔しそうな顔してたから。


 その後、エリー、愛理さん、梨美、風花ちゃんとそれぞれつくってきてくれたお弁当を少しづつ食べた結果一番おいしかったのは.........


「エリーかな」

「ありがとうございます、祖師谷様。これからは毎日作って差し上げますね。未来の妻として当然の役目です」

「ありがとね、毎日はエリーが大変だから良いよ」

「遠慮なんてしなくてもよろしいですのに」

 

 エリーの作る料理はまるでプロの料理人が作ったんじゃないかっていうほどの出来栄えだった。


 他の人たちもかなり美味しかったけれど一番ってなるとエリーかなって思う。


「エリー、次は私がきっと祖師谷様の一番になって見せますから」

「頑張ってくださいね、アリシア様。それと皆様方」

「うぅー、お兄ちゃんの妹として負けられない」

「次はきっと勝ちますから」


 いつの間にかアリシアとエリーの主従関係が逆になっているような気もするけれどまぁいいか。








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