第142話

「おはようございます、皆さま」

「おはよう、アリシア、エリー」

「おはよう」

「おはよー」


 アリシア邸にいつものメンバーに加え、梨美、風花、柚乃が集合した。


 何故蒼関係の女性たちがこうして集まったのかというと


「最近、祖師谷君の周りの女性が凄い人たちばかりで、私このままでいいのかなぁって不安に思ってるんだけれど」


 その由利の言葉がきっかけで、アリシア邸に集まる事となった。


 由利だけじゃなく、どうやらアリシア、愛梨、風花、梨美、柚乃も内心そう思っていたみたいだ。


 ちなむと、エリーだけはそんなことは微塵も感じていないみたいだ。エリーは自分はやろうと思えば何でも出来るし、容姿も蒼好みだと分析しているので例えどれだけ美人な女優と会おうが自分は決して捨てられないと確固たる自信があるためだ。


 そんなエリーの主たるアリシアは、自分自身の事をあまり評価できていない。今までエリーは侍女であるエリ―に頼みきりだったために家事が出来ないので、取柄と言えば家柄と権力と容姿だけなのだ。


 その家柄と権力さえも自分自身の物ではないし、蒼の性格からして家柄とかは全く重視していないことをりかいしているからこその焦りでもあった。


 柚乃、愛梨、風花は逆に、自分たちは権力もないし家柄も普通だし容姿も蒼が現在関わっているだろう女優とか配信者とかよりは劣っていると思っているのでアリシア以上に内心蒼に見限られてしまうんじゃないかと思っている。



 梨美は自分は妹であるという絶対的な関係があるので例えどのような形になっても蒼とはかかわりが持てると思っているし、自分は蒼と結婚するという謎の確固たる自信があるため別に不安がってはいないが、花嫁修業も兼ねてこの場にいる。


「祖師谷様の周りには今、女優さんや有名な配信者がいます。私達はその人たちより魅力ある人でなければなりません。それでは、まず初めに花嫁修業も兼ねて料理からしましょうか。日本と言ったら和食。お味噌汁を作るところから」


 アリシア邸のキッチンというより厨房はかなり広く設計されているので、一気に教えることが出来る。


 エリ―は家事全般が出来るので、教師となってアリシア達に教えていく。


 柚乃は気が弱く人付き合いが苦手なだけで、色々器用な子ではあったし、家でも料理をしていたのですぐにエリーが合格点を出すくらいの物を作れた。


 苦戦したのはバレンタイン同様に、アリシアだった。


 自分がこういうことが得意ではないことを自覚してはいたが、あまりにも出来ないので少し涙目になりつつも、エリーが丁寧に教えつつ完成させることに成功した。ほぼ、エリーの介助が人用だったが。


 アリシアはこれからは少しづつでもいいから家事をしてみようと心に誓った。


 それからも彼女達の自身の魅力を上げるための修業は続き、家事全般を一通り済ませることが出来た。


「これからも家事をし続け自身の魅力を上げることによって自信もつくでしょうから、頑張っていきましょう」

「「「はい」」」


 彼女たちの自身の魅力を上げる努力はこれからも続く。



 まぁ、蒼は彼女たちが努力などしなくても結婚しようと決めてはいるがそれは言わない方が彼女たちのためだろう。

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